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失恋記念日……第15話
Mdg00.gif
マーク・ジョーンズ//関係:友達//傾向:切ない 【視点:ヒロイン】




――Sunday -You-


満天の星空が輝いてる頃、暗い部屋の片隅で縮こまるように両膝を抱えて居た。
その足先が窓から降り注ぐ月の光に触れるのを、伏せた瞳でゆらゆらと見詰める。
寒くて震えそうな気持を抱えながら、ただじっと時を過ぎるのを待つだけ。
私は何時だってこうして何かを待っていることに何時しかそれが当りの前のようになっていた。
自分では動けない、動こうとしない癖にそれを何かの言い訳にしてそこから逃げ出してしまう。

あの人に恋をしてた時だって私から何かをしたことは一度も無かった。
一度だって無かったのに、失恋した途端に私は彼の所為にでもするように自分自身を傷つけた。
何も行動しなかった私は後悔という最もやりきれない思いだけを抱いて失恋の痛みに甘える。

けれど、そんな私の傍にマークは居てくれた。それが当たり前のように続くとも思ってた。
明るい笑顔を振り撒く彼の隠された気持ちを聞いてしまった雨の日、私は失恋よりも、もっと大きなものを失ってしまったのかな。


力無く手からスルリと落ちたものがコロコロと転がって月光の中で止まる。
それはマークから貰った星形の置物だった。沈んだ私の気持ちとは反対に降り注ぐ光を一心に浴びてキラキラ輝いている。
抱えていた膝を崩して両手を伸ばすと大事そうにそれを掬った。
手の中で星はその輝きを失わずにいて、それはまるで深い闇の底に居る私自身に一筋の光を照らしてるかのように見えた。

ぎゅ、と包むようにして胸に抱くと突然にふわりとしたものが胸にそっと響く。
マークが作ってくれたケーキのように何処までも優しい気持ちにさせてくれるような、そんな穏やかな感情が私に語りかけてくる。
その声を聞けばゆっくりと瞼を開け揺らしてた瞳を真っ直ぐに向けた私はスクッ、と立ち上がり、急いで玄関へ向かった。
もどかしそうに靴を履けば、まるで閉じこもってた殻を内側から破るように玄関の扉を勢い良く開ける。
外の世界に早く飛び出したかった私は、勢いをその儘に夢中で走り出した。


大通りへ出た所で速度を緩めて、セリーナ―に携帯で電話をかける。
すると直ぐに通話状態になった彼女に逸る気持ちを抑えて口を開けた。


「こんな時間にごめん!マークを…
マークを、探してるんだけど彼が行くクラブ何処にあるか知ってる?」


場所を聞き出せば、お礼を述べてから携帯を切った先に丁度向こうからタクシーがやって来る。
片手を振って止めると慌てて後部座席に乗り込み行き先を告げた。



***



クラブハウスの入口から漏れる大音量を目の前に息を大きく吸ってから地下への階段を下りる。
すると、途端に爆音という名に相応しい大音量な音楽に思わず両手で両耳を塞いでしまった。
露出が高い服を着る女性達は、私がこの場に相応しく無い身形をしている所為か通り過ぎる際に必ず見てくる。
気にしてる暇も無く、踊り狂う人達の間を抜けて人探しをしている私の肩を誰かがグイと引き寄せた。


「君…以前にマークとゴシップメールに載った子だよね?」


振り返れば以前、中庭でマークと話してた男友達の一人がニヤニヤと薄気味悪い笑みで肩を掴んでいる。
その人の後ろからも数人がぞろぞろとやって来れば嫌な予感がして慌てて逃げようとするのだが、思いの外抑えつけられるような力強さと人の混雑で上手くそれが出来ないでいた。


「こんな所に来るんだねえ…」

「やっぱ大人しい顔してたって、中身は遊んでるんじゃねーの?」

「…なあ、俺達とも遊んでよ」

「や、止めて下さいっ、離して…やだ」


中庭で居る時と同様好き勝手言われるのは構わないのだが、性質が悪いのは皆からは強いお酒の匂いがする。
しながれるように一人が私の肩を抱き寄せるようにして距離を縮めた瞬間、男だけが突然弾かれたように前のめりになった。


「…っ、誰だよ!」


引き剥がされればほっとしたのも束の間、その原因を見るべく肩越しで振り返ると
そこに両手を前に突き出して立ってたのは怒りの形相で周りを睨んでいたメアリーだった。


「コイツには私が用があるの」


呆然と見ていた私との距離を素早く縮めた彼女は片手を勢い良く振り上げると反射的にぶたれると思った自分は、ぎゅと瞼を瞑る。
然し待てど衝撃や痛みを感じない代わりに手首を強く掴まれるとメアリーは早歩きで人の間を抜けるように足を動かした。
掴む手を見ながら予想外の出来事に拍子抜けしたが、気付けば戻ってきた道を辿るように出口へと向かうのだから段々と焦り出した私は慌てて彼女の背中に叫ぶ。


「ま、待って!私…まだっ!」


聞く耳を持たず階段を登るメアリーは私を引っ張り上げる形で入口前にしてやっと止まった。
外の空気を吸うと肺に染みるような冷たさを感じながらメアリーは私を放り投げるように手を離す。
すると再び中に入ろうと背中を向けたのだが、一度足を止めると顔を少し横に向けて独白のように唇を開いた。


「…私…目の前で他の女を追いかける男何てコッチから願い下げ」

「え?」

「マークなら此処には居ないから早くどっか行って!」

「メアリー…」


吐き捨てるかのように告げられた言葉に見えるのだが、然しメアリーの背中からは痛々しい程の悲しみの色が滲んで見える。
やりきれない気持ちを必死で隠そうとするかのように、壁に手を置いた彼女の指先が小さく震えていた。
私は瞳を揺らしながら一歩、後ろに下がると勢い良く頭を大きく下げてから踵を返して再び走り出す。

走りながら大きな通りに出れば直ぐに片手を挙げようとしたのだが、目に広がるのは全く動く気配の無い車の渋滞だった。
挙げかけた腕をゆっくりと下すと、ぐ、と息を詰めて迷う隙も無く私は止まる車の横を再び全速力で走り始める。


走りながら色んな人の顔が浮かんでは消えた。
私が好きだった人、メアリー、そしてマーク。


人は人を好きになる。

『もし誰かを一途に好きになれたら、それはとても幸福なことかも知れない。』

けれど、想いを寄せるその相手に必ずしも届くとは限らない。

『愛して、愛されてお互いの気持ちだけをただ純粋にひたすらに真っ直ぐ見詰め合っていけたら
それはとても幸福で、それでいて何よりも幸運なことなんだよ。』

その幸福の裏側では誰かが打ち破れた届かぬ想いに涙を零してるかも知れない。


それでも、人は人をやっぱり好きになってしまう。
どうしようも無く不器用で、時にもどかしくて。

人は人を純粋に好きになる。それはきっと世界で一番綺麗なもの。
その気持ちはきっと世界中の何より一番綺麗なものだと私は知った。


「あ!」


アスファルトの出っ張りに気付かず走ってた勢いの儘ズサッと前に転んだ。
途端に膝に走る鋭い痛みを感じたが、手からコロコロ落ちた星が先を急ぐように転がって行ってしまう。
俯せで倒れた状態で手を伸ばした先に、その綺麗な想いを凝縮したような星は外灯の光を浴びて強く煌めていた。
痛みを堪えて立ち上がると両手で星を大事に包み、再び星空の下足を引き摺るようにして走り始めた。



***



夢中で走って居た所為か髪は風によって乱れ、流れる汗で服と肌は貼りついていた。
白い息を吐きながらも、走ることによって服の隙間から風が入ると途端に身を刺すように寒さを感じる。
けれど止まる気持ちは一切無かった。

行き交う人々を幾度も通り抜けた先に大きな歩道が見えるのだが、運良くそれは青色に変わっている。
一分一秒が惜しい私はぶつかりそうになる人々に何度も謝りながら急いで向かった。

すり抜けた先に向こう側が見えたが一人の男性にドンと肩がぶつかり私はよろけてしまう。
その時固く握ってた筈の拳が疲労の為か緩んでしまい、マークから貰った大事な星がコロコロと道に転がっていった。
人々の足の間をすり抜けるようにカラカラと音を立てて転がる星に、私は踏まれることを恐れながら慌てて後を追う。

四つん這いになってやっと星を掴むことが出来れば安堵の為か軽く吐いた。
然し視線が地面に向けられていることで信号が赤に変わり始めたのに私は気付いていなかった。
人々は既に渡り終えた所で、その場にポツンと私だけが取り残された状態になる。

次の瞬間振り向けば眩しい程の光が体全体に降り注がれるのは大型のトラックが勢い良く右折してきたからだ。
驚きと恐怖のあまり身を強張らせることしか出来ないでいると、突然グイと腕を力強く引っ張られ体ごとその場から引き剥がされた。


(……え)


ぎゅう、と痛い程抱き竦められた私の頭を抱くようにして丸める背中に、トラックは罵声を浴びせながら横を通り過ぎる。



「良かった…間に合って…」



耳近くで聞こえる絞り出すような声は極度の緊張が解けたように安堵の溜息を零した。
強く抱き締められた私は動揺のあまり声を出すことが出来ないでいると、その腕は更にぎゅと強くなった。
腕や胸から伝う温もりを感じれば、ゆっくりと氷のように力が抜けていく。
そうして漸く震える唇で私はそっと名を呼んだ。


「マーク…」


マークは頭の後ろに手を添えて自分の胸に押しつけるように抱き寄せながら、反対の手でしっかりと背中に回して包むように腕を回す。そうして彼はそっと私の頭上で言葉を静かに紡いだ。



日七…もう一人にはさせない…」

「…俺がずっと傍に居る」



その声音は切なくも、今までとは違って優しさに混じる決意のようにも聞こえた。


失恋記念日……第16話 へ続く




執筆一言 『最後の台詞は魂込めて考えました。そして人を純粋に好きになる。それはきっと世界で一番綺麗なもの。好きな人の幸せの為なら自ら傷ついても構わない、そんなメアリーの優しさでした。…何時でも当て馬キャラはこういう見せ場を作って大事にしたいです』
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