スポンサーサイト
  •  --, --
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
    *最後まで読んで頂き有難うございます。宜しければ拍手=愛を頂ければ活力になります。 ia10.gifアイ
    *。夢小説目次一覧
    GG*。aa06.gifAlexaa10.gifMarcaa09.gifLeon*。aa08.gifIzaacaa04.gifFredaa02.gifKyle
    恋乱LB*。aa02.gif殿方一覧


  • 只今ランキング参加中です、応援して頂けると幸いです♪
カイルと過ごす2weeks……最終話「数万人を魅了する彼」
Kdg00.gif
カイル・ヒューズ//関係:不明//傾向:甘々//時代:高校生 【視点:ヒロイン】




劇が終わって数日後、私の元にカイルから一通の白い封筒が届いた。
中身を取り出すとまず初めに白いメモが出てきて、「いいから来い」とだけ書かれている。
訝しげるように眉根を寄せると封筒の中にはもう一枚細長い紙が入ってるのに気付いた私はそろりと取り出した。


「コンサートチケット…?」


一体誰の、と思いながらも肝心な名前の部分は何故か黒いマジックで塗られている。
これじゃ使用出来ないじゃないと思えどカイルのメモには良く見るともう一文あり、「それでも入れるから」と書かれてあった。
少しは理解してきた筈の彼の思考は矢張り私の理解を超えていくらしい。
けれどチケット代を見れば吃驚する程高いのだから無下には断れそうに無い。私は早速指定された場所へ足を向けることにした。



***



着いた早々度肝を抜かれたのはその広大な面積を誇るアリーナに埋め尽くされた数万人の観客だった。
カイルの言われた通りこんなヘンテコなチケットでも見せれば本当に中に入れてしまったのだから驚いてしまう。
指定された席で隣に来る筈のカイルを幾ら待てど一向に現れる気配は無い。


「もー…一緒に見ようってことじゃないの?始まっちゃうよ」


前方の大きなステージから10列目の席。中央に向かって真っ直ぐに伸びたランウェイの直ぐ隣に私は居た。
こんなに良い席なのに本当に来ないつもりなのか。いや、そもそも誰のコンサートが始まるというのだろう。
その時アリーナ全体の照明が閉じられるように辺りが段々と暗くなっていくと、暗闇になれば、なる程に会場中の熱気がぐんぐん上昇するのが体感で伝わってきた。

前方に映しだされた大型スクリーンに100の数字がパッと表示されると0の数字に向かってカウントダウンしていく。
ぎゅるると逆回転するかのように高速で数字が動き、それと共にテクノっぽいBGMが途端に激しく鳴り始めた。
まるで映画の1シーンのような映像がスクリーンいっぱいに広がると、人物の後ろ姿が映っただけでアリーナ全体が歓喜に震えあがる。熱気に包まれながら私の周りの女性達もステージに向かって声を張り上げて叫び始めた。


「カイル―!!」

「きゃ―――ッ!カイルッ!」

(カイル?)


真っ暗なのに皆が携帯で撮影してるのかその光が会場中に浮き上がり、まるで辺り一面に星が散りばめられたように見える。
気付くとカウントダウンの数字は残り5秒となり、皆が両手を高々に上げて登場する瞬間を待っていた。
そして会場全体で残りの数字を大きな声でカウントダウンしていくと、高く上げた手は指を折るようにして数を減らしていく。


「4!」

「3!」

「2!」

「1!」


一瞬静まり返った瞬間大型スクリーンに影絵のようにシルエットが浮かぶと地の底から湧き上がるように大きな歓声が鳴り響いた。
レーザービームのような細い青い線がステージから飛んでくると、放物線となって回転しながら会場中をあちこち照らす。
ステージ上にスモークがもくもく作られるとセリから上がってたきた人物に白く強いスポットライトがパッと注がれれば会場中の興奮はそれは凄まじいものだった。


「きゃ――――っ!」

「きゃあ――ッ!カイル!」


あちこちから悲鳴に混じって聞こえる「カイル」という名前に聊か動揺してくるのだが状況が掴めない私はただ見ていることしか出来ない。良く見れば感極まってるのか泣いてる人さえおり、それも一人では無く何人も涙を拭いながらペンライトを振っていた。

中央に降り立つ人物は上下黒革で出来た衣装を纏っているのだが、肝心の顔の部分はフードを深く被って見えないでいる。そして光と共に音楽がバーンと一斉に鳴り響くと、バックダンサーをぞろぞろ引き連れて激しく踊りながら歩き出した。

一歩踏み出しただけで激しい雨のように降り注がれる嬉々とした声、泣き叫び絶叫する声、興奮し叫ぶ声、
そうした数万人の激しい感情が混じった声を一人で浴び続けても尚踊りには全くブレる様子は無い。

その人物は一度止まり、胸に手を当てて大きく息を吸ったかと思うとアリーナの隅々まで届くかのような歌声を一気に解き放った。

ビリビリと空気が共鳴するように天高く突き抜けるのは、まるで鋭い鋭利なもので胸を突き刺された感覚さえする。然し感じるのは痛みでは無く心酔してしまうような心地良い感覚。その美声を放つ一人の人物は会場中の気持ちを一瞬で鷲掴みにした。

炎のように力強くもあり、高音になれば途端に透明感のある繊細さを含んだ声。その一つの表現でこうも人の心を魅了出来る何て本当に信じられない光景だった。

然し現に声や体一つでアリーナに居る数万の人々を惹きつけるのはたった一人の人物なのだ。


(本当に凄い…)


感情をたっぷり籠め音楽と溶けあう歌声に、踊りを加えることで爆発的な眩い光を四方に放つ。
その光には、まるで撒き散らされた宝石の粒がスポットライトに反射して目の前でキラキラと輝いてるように見えた。その煌めく粒を必死に受け止めるべく誰もが両手を高々に挙げて激しく揺れ動いている。


(あれ…この感覚って…)


不意にこの光景が何処かで見たことがある気がして記憶を必死に辿る。
そうだ、これはカイルと初めて逢った日に私の目の前で踊ってくれた時の感覚だ。

その人物はステージからランウェイまで踊りながら歩いて来ては、私が居る直ぐ横で足を止めた。
歌いながら難しいステップを難なくこなし、くるりと回った時に頭後ろに片手を持ってきて黒いフードをぱさりと外す。

その瞬間会場中から一際凄まじい黄色い悲鳴が鳴り響くと、露わになったオレンジ頭。
俯いた顔を上げ、そこから見えたのはカイルのふふん、とした悪戯な笑みだった。


(え……)

(……え……え――――――――っ!?)


驚きのあまり声すら出ない私はぽかーんと間抜けに口を開いて瞠目した儘彼を見上げる。
数万人居る中で、こうも動かないで居るのは私だけかも知れない。
これが普通の反応だとばかりに周りの人々は高さ数十センチの所で歌うカイルに必死に手を伸ばしていた。

2週間過ごした日々が走馬灯のように頭で駆け巡り、彼の言動や行動に見え隠れた謎の部分がパズルのピースのように繋がっていく。


『俺が、もし多くの人達から注目される人物だったらどうする?』


以前扉の前で言われた言葉が耳の奥で響きながら、カイルを呆然と見上げるのだが
少し目線が上にあるだけなのにステージを隔てるとまるで別世界に彼が飛び越えて行ってしまったようにも見える。
いや、元から彼が居るべき場所は華やかな世界で私がそれに気付かないでいただけだ。
急に遠のいてしまう二人の距離を感じて何とも言えない寂しさが少し胸に渦巻き始めた瞬間。

カイルがス、と私に向かって手平を見せるとそこにはハートの模様が描かれてあった。
見せてた手平を丸めたかと思うと、彼の心臓の上に拳を持ってきてはトントンと叩いて見せる。



『例えどんなに離れてても…俺とお前は、この印で繋がってるから』



(あ……)


思い出した私は強張ってた表情を緩めると、カイルはそんな私に頷くようにふ、と微笑んでくれた。
そうして直ぐにバックダンサーを引き連れて歌いながら風のように通り過ぎて行く。
初めて出逢った時に彼に言った言葉が今は小さくなっていく背中に向けられた。


『君…本当に何者なの?』


思わず零れてしまった言葉に、あの時もフードを被った儘カイルは勝ち誇ったように口許を緩めていたっけ。


『…だから、カイル・ヒューズだって』



***



コンサートも終わり、夜道をゆったりと歩いていた私は道の端で月を見上げてる人影に足を止めた。
黒縁の眼鏡をしているオレンジ頭の彼は、両手をポケットに突っ込みながら見上げてた顔を私に向ける。


「カイル…?」

「満月だから、いよいよ野獣に変身する所が見られるかなと思って…」


言葉は相変わらずなのに、聊か元気が無いように見えるのはきっと気の所為じゃないだろう。
見る目が変わったんじゃないかと不安になっているのだ。
扉を挟んで会話した時の意味がやっと解った今、私は天邪鬼の彼に小さく溜息を零すと走って駆け寄った。
勢いその儘に、カイルの右手を両手でぎゅむ、と掴む。


「な、何だよ。急に…」


流石の彼も驚いたのか私の行動に目を瞠るも振り払おうという気持ちは無いらしく大人しくしている。
彼の手平を見ればハートマークがそこにあり私はグイとその手平を顔の横に持ち上げた。

そんなカイルの手平に、バチンと勢い良くハイタッチをした私はニヒッと満面な笑みで微笑んで見せる。



「カイルはカイル・ヒューズなんでしょ。
…でも例え数万人魅了したとしても、私を魅了するにはまだ早いよ?」



相変わらずな生意気な口調は私も同じ。
カイルは呆然としたように目を瞬いたが直ぐに目許を緩めて嬉しそうに笑った。
そしてハイタッチされた手を私の頭に持ってきてはガシガシと頭を乱暴に撫でる。


「…生意気」

「どっちが?」

「早く満月見て野獣に変身して見せろよ、野獣女」

「誰が野獣女よ!いい加減訂正しないとその商売道具の顔殴るよ」

「やってみろよ、そんなへなちょこパンチ俺に当てようなんざ1万年早いっつーの」


「………」

「………」


一瞬の沈黙の後、二人で同時にぷ、と吹き出した。何時もの調子が何だか可笑しくて思わず笑ってしまう。
けれどそれはカイルも同じなようで一緒になって肩を大きく揺らして笑い始めてしまった。
そうして笑うことで、まるで隔たりや、わだかまりなんてものは二人の間で最初から無いものだと互いで認め合ってるようだった。


「ねえ、今度は一番前の席で見せてくれる?」

「やだね」

「ケチ!」


END

Presented by HINANA
Thanks for reading to the end.



執筆あとがき
『ハート模様はこの最終話に繋げる為にも重要な意味を持たせてました。
兎に角凄い楽しくて一気に書いちゃいました!書こうとしたきっかけは2weeksイベのカイルの天邪鬼にヒロインが必死に耐えてる様子を見て、「あ、これヒロインが物凄い強かったら面白いかも」と考えたのがきっかけです。
インタビューで「女友達が居ない」と言ってたのが少し可哀想に見えたカイル。なら負けずに尚言い負かせる位の女の子じゃなきゃ友達すら難しいだろうな、と。そうして出来た私にとっての理想のヒロインですw

2週間という短い期間なので出会い編という形で終わりますが、この二人書いてて本当に面白かったので今後も育てていこうかと考えております。両想い、恋人、…初体験。考えただけで楽しそうーw ともあれ天邪鬼な二人なので前途多難にしますが、それでも読みたいって思ってくれる方が居ましたらまた書こうと思います。ここまで読んでくれた方有難う』

余談ですが、アリーナの集客数としまして埼玉スーパーアリーナは、約37,000人だそうです。
1話でスタジアムと書いてしまったんですが、スタジアムだとランウェイ設置が難しいので訂正しておきます、すみません。
    *最後まで読んで頂き有難うございます。宜しければ拍手=愛を頂ければ活力になります。 ia10.gifアイ
    *。夢小説目次一覧
    GG*。aa06.gifAlexaa10.gifMarcaa09.gifLeon*。aa08.gifIzaacaa04.gifFredaa02.gifKyle
    恋乱LB*。aa02.gif殿方一覧


  • 只今ランキング参加中です、応援して頂けると幸いです♪

Comment - 2

Sun
2014.10.19

日七

URL

ありが㌧♪(・ω・)ノ

カキコ何時も(人´ω`).ア☆.リ。ガ.:ト*・
先程お誕生日祝いと日頃の感謝を籠めてアイザックストーリー上げておきました♪
カイルも素敵と言ってくれて大変嬉しいです!!!有難う!!
もうもう、ヒロイン性格設定したいよw 変な所でマナナス思考によりもどかしい時が多い…。

おおお、誕生日発覚(・∀・) メモに追加しちゃおうw 上手い具合に調整されてよねw
教えてくれて((ヾ(。・ω・)ノ☆゚+.ありがとう!


1000なんでマジかい!って思えど本当に嬉しい限りです。
これも皆がポチってくれるからですよ。ポチポチ何時も有難うw

Edit | Reply | 
Sat
2014.10.18

ミシェル

URL

No title

カイルー!!!素敵すぎる♡♡♡
強めヒロインだからこそ成り立つお話ですよね( ´ ▽ ` )♡
今回のお話を読んで、ヒロインのテイストだけでなく性格も選べたらいいのになぁと思いました♪
ぜひ続編希望します!!!ゆっくり育ててくださいo(^▽^)o

フレンドさんありがとうございます!!!
ほんとに嬉しいですo(^▽^)o
2回連続の掲示板も可愛くてほっこりです♡

余談ですが、スナップランキングの特典でマッドハットに各キャラの誕生日が書かれていて!
Fは7/23でKは1/17みたいですね!隔月で20日前後なんて、運営さんサイドの都合に振り回されてるような。。。笑

1000拍手おめでとうございます!!!
記念すべき1000回めを私が押してしまったのは秘密です。笑
あっという間ですね!これからもポチポチし続けます( ´ ▽ ` )ノ

Edit | Reply | 

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。