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失恋記念日……第12話
Mdg00.gif
マーク・ジョーンズ//関係:友達//傾向:切ない 【視点:ヒロイン】




「パパ…今日はこれから出張なの?」


玄関先で見送るように靴を履く為に屈んでるパパの背中に話しかける。
履き終えたパパは背筋を伸ばして振り返るとにっこりと笑みを滲ませて大きく頷いた。
最近忙しそう所為かその顔色はやや疲れたように見えてしまえば、心配そうに眉を寄せた私の肩にポンと手を乗せる。
その肩から伝わる温もりから、大丈夫だよと言われた気がして眉尻下げながら小さく微笑んだ。


「明日には帰って来るよ。
そうだ…今日は流星群が見れるらしいけど、日七は外で見るのかい?」

「ううん…家の窓から見るよ」

「まあ、今日は人も多く外に出て見るようだけど心配だからね」

「解ってるよ、いってらっしゃいパパ」


パパの心配性は普段と変わらない。今度は私が安心させるようにやんわりと微笑んで見せる。
手を振って見送るとパタンと閉じられた扉を見ながらも、やがて家の中で好きなように過ごした。
勉強したり、本を読んだり、温かいココアを飲んだり、テレビやラジオも見たり聞いたりする。
なのに、段々と陽が傾くにつれて気分もそれに引きずられるようにして落ち込んでいってしまう。
無意識に考えてしまう理由を抑えつけようと、あえて何も考えないようにするのだが。
溜息を吐いては飲み込み、その繰り返しの狭間で不図気になる流星群のこと。

マークのことだから、私に気を遣わせないようにその約束を壊すべくクラブに行くって言ったんじゃないか。
そんな自分勝手な考えにうんざりしながらもマークのことばかり考えている自分が居た。
けれど流星群については気にした所で如何にもならない、マークとの約束は無くなってしまったのだから。



***



家に居ると考えばかり頭の中で膨らんでしまって気分転換の為に外へ出ることにした。

燃えるような赤色を冷ますかのような薄い紫色がグラデーションとなって綺麗な夕陽を形作っている。

そうした夕陽を一人歩いて居ると、マークが追いかけて来てくれた日を思い出してしまった。
泣いてしまった私を労わるようにそっと抱き締めてくれたあの温もりに触れるように、自分の二の腕をそっと触る。
触りながらも足は無意識に二人の時間を遡るように、やがてあの喫茶店の前に辿り着いてたことに気付く。
暫しぼんやりと眺めて居たが、中に入る気分では無かったので引き返そうとしたのだが私の背中に誰かが突然声を掛けてきた。


「……君…マークと一緒にケーキ食べに来た…子だよね?」


店の扉を開けて外に出てきた中年らしき男性は看板を持ち上げた所でその動作を一旦止めては
此方を窺うようじっと見詰めている、如何やら返事を待ってるので私は小さく頷いて見せた。

「はい…」

「やっぱり!覚えてるよ…美味しそうにケーキ食べてくれてたから。
そうだ、丁度良かった。君に食べて欲しいものがあるんだ」


物言いからして違和感を感じた原因は店内で働くウエイトレスのような服装では無くそれはパティシエが着る服装だと解ったからだ。食べて欲しいとは新作か、それとも自信作のケーキでも出来上がったのだろうか。

促される儘に店内へ入ると、もうお客さんは誰も居なかった。
不思議に思ってると看板を扉付近に入れて内側から鍵を閉めると、優しそうな笑顔で片手を出して座ってと言われる。


私は動揺しながらもマークと一緒に来た時と同じ椅子へ腰を下した。
座ると、男性は奥へ消えていく。待ってる間今一度店内を見渡すと窓から差し込む陽が斜めの光となって幾つも机や椅子を淡く照らしていた。


「お待たせ…さあ、どうぞ。勿論お代は頂かないよ」


やがて戻ってきた男性の両手には二つの白いお皿があり、それを机へ静かに置く。
体を曲げるようにして覗く先にはあの日食べたケーキがそれぞれに乗せられていた。


「ブラマンジェ…と、…ビスキュイ・ド・サヴォアですよね…」

「うん、マークが教えてくれたのかな?」

「はい…フランスでは真っ白で甘く、優しい気分にさせてくれるデザートだって」


本当は家に帰って自分でも調べたお菓子だった為に名前をちゃんと記憶していた。
私の答えに男性は、そうそうと目尻に皺を作って嬉しそうに微笑んでいる。

それから食べていいよ、と言われたのでフォークを使って一口サイズに切ると口へ運んだ。


「やっぱり美味しいです…」


口に残る仄かな甘さが、二人で仲良く食べた時の記憶を呼び覚ましズキズキと胸が痛みだす。
俯きながらも一口一口味わうように食べていると男性は頭上から静かな口調で語り始めた。


「ケーキやお菓子や他の食べ物にしても、その日の気候や温度の少しの変化でも味が変わってしまうんだ。
それは食べても気付かない少しの味だとしてもね…職人によっては完璧な味を求めてる人も居るんだけど」


「俺は完璧さを求めるより…心を籠めて一つ一つ作ってるんだ」

「だからこんなにも美味しいんですね…」


目指す頂に心底感心を覚えながら見上げると互いに視線が合って小さく微笑み合うのだが、尚男性は続ける。
それも噛み締めるように何度も頷きながら、腕を組めば少し得意気にも聞こえる口調で言葉を紡いだ。



「でも、君があの日食べたのは、
きっと世界一心が籠ってたケーキだったよ」


「……え?」


「真心が籠った…君だけに贈られた世界でたった一つのケーキだった」




「あのケーキは…マークが作ったんだよ」




フォークを持つ手が自然と止まり、言葉を失ってしまう。
この感情を前にして表す言葉はとても無力で、その言葉では言い表せない変わりにまるで突風が胸の真ん中を突き抜けたようだった。真実を受け止めきれなくて震えだしてしまう手はフォークを持ちながらも、瞳もまた動揺を滲ませながら男性を見上げた。


「…マーク、が?」


「そうだよ。…元気にしたい子が居るって言ってたのは君だったんだね…」


その言葉を聞くとじわりと胸の中心から生温かいものがゆっくりと広がるのを感じる。
それは段々と増え、やがて止めることさえ出来ずに溢れだし胸を苦しくさせていった。
何かに耐えるように俯いていると再び男性はもう一枚の皿をコトンと静かに置く。


「これは…」


それは、小さな丸いホール型のチョコレートケーキだった。


「名前何て無い、ただのケーキだ…
でも、説明しなくても君ならもうその味を知ってるはずだよ?」



ゆっくり食べていってね、と静かに言えば男性は珈琲を置いて奥へと消えて行った。
一人残された店内で私はそのチョコレートケーキにフォークを入れると、そっと口に入れた。


「………」


やがてポタ、ポタと静かな空気を震わすように何かが落ちるような音がする。
それはとても小さな音だったけれど、頬を伝うそれはとても温かいものだった。


一口、また一口食べるごとに溢れだした感情が涙となって零れ落ちた。
涙で滲んだケーキを見詰めながら溢れだす涙を一生懸命に堪えて、また一口食べる。


マークとの日々を噛み締めるように、一口一口を大事に食べ始める。



夜、電話で会話したことが脳裏に浮かぶ。

『今ケーキ美味しかったな…って思い出してた所』

『………』

あの間の後、彼は本当に嬉しそうな声で笑った。


初めて店に来た時だって、彼は見えない優しさで嘘を隠しながら
『…ごめん少し待っててくれる?』とあの時奥へ行ったマークは、注文してたんじゃない。

自分が作ったケーキを持って来る為に準備してくれてたんだ。



今、私の口に広がるのは、甘くとろけるような優しい味。
そのケーキだけがあの日の儘、変わらずにそこにあった。
心が籠められた世界でたった一つの彼が作ったチョコレートケーキ。


その時、カチンとフォークに音がして一瞬動きを止めた。
瞬きするとポタポタと零れた涙を机に落しながら、フォークの先を目で辿ると透明な何かがケーキに乗っかっている。

指でそっと摘み上げると、それは透明な星形の置物だった。


そして散らつくように不図視界に入る、皿と机の間にメッセージカードが斜めに置かれてるのに気付く。
片手を伸ばして静かに取り紙をゆっくりと開くと、書かれてる文を口に出してぽつりと読んでみた。



「本物の星は夜空に消えちゃうけど…

この星は永遠に君のものだよ…――――


星に願いを籠めて…君の笑顔が明日も見れますように……」



私は、その透明な星を夕陽が降り注ぐ窓に掲げて中を覗き込む。
するとキラキラとした光が星を通してそこから沢山降り注いできた。

一筋の涙が頬を伝いながら、降り注ぐ光からは夕陽を含んだ温かさを感じる
それは、まるでマークから今まで貰ってきた沢山の優しさのようだった。


失恋記念日……第13話 へ続く




執筆一言 『【心を籠める】の言葉の意味は、思いやりの気持ちで心の中をいっぱいにすること。
失恋記念日の一番の軸は、愛すべき人が傷ついた時自分はその時何が出来るのだろうか、ということでした。
実はもう月曜日から出来事の裏側では、マークの見えない優しさは今まで続いていたのです。
次はいよいよ最後の曜日、Sunday=日曜日。マーク視点とヒロイン視点となります』
    *最後まで読んで頂き有難うございます。宜しければ拍手=愛を頂ければ活力になります。 ia10.gifアイ
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Comment - 4

Sun
2014.10.05

日七

URL

何時も有難う

ミシェルさんカキコ何時も有難う!
カキコされると此方もとっても励みになってます!

後半戦始まりましたね。
今回の特典が可愛過ぎてゲットできる人が羨ましいぃw
自分は無理なので是非ゲット願ってますよ!

Edit | Reply | 
Fri
2014.10.03

ミシェル

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No title

GGの夢小説ってなかなかないので、ほんとに日七さんのお話が楽しみで大好きですo(^▽^)o
いつまでもワクワクしながら更新楽しみに待っています!!!

AのS1初っ端からきゅんきゅんですね♡
Iが冷たすぎたので、ちょっとでも優しいと異常に嬉しいです。笑

K√は確かに鬼畜で辛かったですw
ただ、彼目線も読むとやっぱりきゅんとします♡
M√のゴシップエンドもなかなかKが可愛いですよ( ´ ▽ ` )ノ
ジャスティンにそっくりなのは、カイル設定からじわじわ来てました!
改めてまとめ解説見ると、ほんとにそっくりですね!!

今回L√のIが鬼畜すぎて、心が折れました。笑
ドSどころか、ただのいじめです(T_T)
ヒロインの心臓が鋼すぎて羨ましいです!笑

なんとか500位以内を維持しつつ、頑張ってます!
日七さんに応援していただけるなんて!嬉しい限りです♡
一緒に楽しみながら頑張りましょうo(^▽^)o

Edit | Reply | 
Thu
2014.10.02

日七

URL

(人´ω`).ア☆.リ。ガ.:ト*・

カキコ(人´ω`).ア☆.リ。ガ.:ト*・
カキコされるととっても嬉しいですw 本当に有難う。
わわ、文才とか言われると照れます(*´ω`*)でへへへ。
楽しみにしてくれる人が居るから書けれます!早くお届けしたいって此方もワクワクするのです。

お、ついに決断しましたねw AのS1は本当に良く出来てると思うからきゅんきゅんするよw
解りますーアレックスカッコイイもん+(0゚・∀・) + ワクテカ +


今イベではMが終わってKなんだけど、…今回のKがなかなかの鬼畜っぷりに辛いですw
制服姿は非常に萌えた!最後は良くなるのかなー今の所キツイ場面が多い所為か
ヒロインは鋼の心臓っぽいけどこっちは泣きそうですよww
オオオオオ、オールクリア!!!是非是非!!クリア出来るように凄く応援します! (ノ´∀`*)

Edit | Reply | 
Thu
2014.10.02

ミシェル

URL

うわぁぁぁ~ん(;_;)

待ってましたー!Mが優しすぎて!生きているのがつらいです(;_;)(;_;)(;_;)
なんでこんなに心が籠っているのでしょう。もうGGのイベにしてほしい(笑)
日七さんの文才が素晴らしすぎて憧れます♡♡♡
Sunday楽しみにしていますね(^_-)-☆

そして結局、AのS1を始めてしまいました。。。笑
私、Aの笑顔に弱いんですよね( `ー´)ノイケメン!!

日七さんはイベMからなんですね(^^)/
私もMから始めて、MとKを終わらせましたが、Kをゴリ押しします!!!
どうしてあんなに生意気なのに惹かれてしまうんでしょう(笑)
とりあえずK√のMがかっこよすぎて悶えました(´▽`) Iは安定のイケメン!!!

ランクイン特典が可愛すぎて(;_;)♡オールクリア目指して頑張ります!

Edit | Reply | 

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