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ねえ、俺のことだけ見ててよ……後編
Kdg00.gif
カイル・ヒューズ//関係:友達//傾向:ほのぼの//時代:大学生 【視点:カイル】




漸く遙か前方に彼女の後ろ姿を発見出来た。
然し何かに邪魔されるように途中で信号が赤に変わるとそれ以上進むことが出来ない。
腕を組みながらタンタンとウサギの足で苛立ちを露わにすると、周りが引き波のように俺から距離を空けた。


「…………」


俺は感心するように驚いてしまった。
人に近付かれるのは当たり前の日常なのが一変して、怪しそうに人から離れられる何て人生で初めての経験だったからだ。
思えば日七と関わっていくと、こうした初めての経験が突然やってくることが多い。
それは俺にとっては凄く新鮮なものであり、まるで煌めく世界に引き込まれた子供のように瞳を輝かせてしまう時もあった。
何でだろう。煌びやかな舞台で突っ立ってるからには刺激的な経験は幾らでも多い筈なのに。

信号が変わると急いで飛び出すも肝心なアイツの姿が何処にも見当たらない。


(し、しまった!)


見失ってしまったと両手で頭を抱えるようにしてウサギの上半身を左右に揺らして嘆いた。
居ないならこんな恰好は無用だと早速頭を取ろうとしたが案外人通りの多い道路の為か思い止まる事にする。
トボトボと肩を落として歩いてると聞き覚えのある曲が一角の所から聴こえてきた。

それはつい最近発売した俺の新曲で、CDコンポで流しながらストリートダンスを練習するグループが居る。
携帯で動画を確認してるのか、時々皆で輪になって集まると踊りの手振りをこうだ、あれだと動かすのだが
それが本来の踊りとは間違った動きになると妙にそわそわするように俺は立ち止まってしまった。


(だからあそこの踊りは、こう……あーもうー!)


頭から流れ始めた曲に皆で踊り出すと、気付いた時には俺も一番先頭でしっかりと踊っていた。
途端にざわつき、何だこの生き物はと爆笑されながらも皆で躓いてた難しい踊りに差し掛かると俺だけがしっかりと踊れる。
そんなギャップに驚いた後は、何時の間にか興奮の声と口笛が俺を歓迎していた。


「すごーい!ウサちゃん、本物のカイルみたい!」


(…みたいじゃなくて本物だっつうーの……)


お前らちゃんと覚えろよ、と喋れない代わりにビシッと集団に向かって指差しする。
興奮冷めやらぬ儘、拍手喝采と共に頭が取れて騒ぎになる前に俺はそこから逃げるように退散した。

それからというものの、まるで磁石のように俺に色んな出来事が降りかかってきた。
大きな荷物を抱えるお年寄りを手伝ったり。紙袋が破けて大量の林檎が道に落ちたのを拾ったり。
繋がれれたリードが俺の目の前で外れて一緒に犬を追いかけるのを手伝ったり。
木に引っ掛かった風船を取る嵌めになったり、一日一体どれだけ動いたら良いんだと着ぐるみを着た俺はフラフラと道を歩いて居た。

すると通り過ぎた喫茶店の窓硝子から偶然見知った顔を発見する。


日七!)


思わずべったりと張り付きそうになったが咄嗟に身を屈めた所為か彼女は気付いて無かった。
それ所かテーブルを挟んで先程の男と今だ談笑しているのだから、俺は今度こそ本気で腹が立ち始めてしまう。

腹が立っても俺に怒る権利何て無いことは解って居る。
握りしめた白い手をゆっくりと解くと今度こそ頭を取ろうとするのだが
タイミングが良いんだか悪いんだか彼女は席を立つと男と一緒に喫茶店から出た来た。
浮かせてたウサギの頭を再び沈めるも、もう尾行する気にはなれなかった俺はこっそりと溜息だけを吐く。

帰ろうとした時、俺の目に飛び込んで来たのは大きな硝子板を運ぶクレーン車。
それがゆっくりと歩いてる日七の頭上遙か上で持ち上がっていた。
すると突然固定してるケーブルがぐらぐらと不自然な傾き方をしており、嫌な予感がしてきた俺は咄嗟に走り出す。


ガッシャーン!!


次の瞬間には耳を劈くような叩き割れる硝子の音。
俺は無我夢中で背後から日七の肩を乱暴に掴むと自分に強く引き寄せるようにして抱き締めた。
背中で硝子を庇うように守ると、ぎゅうと包むように背を丸める。
そんな中陽が吸収するように硝子の破片がキラキラとしながら地面に砕けて飛び散った。


「あっぶねーな……」

「…カイル……?」


(ギクリ!!)


思わず状況も忘れて普通に喋ってしまうと、抱き締めた距離感から俺の声がより聞こえたのだろう。
あっさりと正体がバレてしまうも騒ぎを聞きつけた人が群がるようにそれは野次馬に変わってくる。
幸いにも怪我をしている様子の人は何処にも居なく、皆がその硝子を避けれたようだ。

一安心する間も無く俺は日七と一緒に居た野郎を探した。
すると隣に居た筈の奴は少し遠くの方で両手で頭を抱えるようにして呆然としている。


(あいつ、一人だけ逃げたのか?)


ズンズンと足音が荒いのはメラメラ燃えるような怒りを感じているからだろう。
目の前に立つと野郎はぎょ、とした面で動作を解いた。俺は両手で襟元を絞るようにして軽く持ち上げると距離を詰め寄る。


「何で日七を守ってやんねーんだ!」

「ちょっと何してるの!」


慌てた様子の日七が剥そうと俺の肩や背中を両手でグイグイと引き寄せるが、構わず続けた。


「男だったら惚れてる女くらいちゃんと全力で守れよ!」


ウサギの着ぐるみで叱るのは聊か異様な光景だが、日七の命がかかってるとなれば此処は引く訳にはいかない。
ハッとするように野郎は目を開くとその言葉に反応するように瞼をぎゅと瞑った。そして叫ぶように言う。


「守ってやらなかったのは悪かった。
………けど、日七は俺の従妹だ!惚れてなんかいない!」

「はあ!?」


衝撃の事実に素っ頓狂な声を上げてしまう。
守る守らない話は吹っ飛び、従妹発言に今度が俺が大きく反応した。
掴んでた両手をゆっくりと離すと彼女が従妹とされる男に駆け寄るのを呆然と見詰める。

つまり俺は勘違いをして日七の男だと思い込みながらこんな恰好をして彷徨っていたわけだ。
くらりと力が抜けるのを感じながら頭を動かし彼女を見ると、そうだよと言わんばかりにコクコクと頷いている。


(やられた…)


暫し立ち直れず一人ショックを受けていると日七は男に向かって


「私、これから用事があるから今日はもう行くわ。
日本に帰ったらママに元気でやってたって伝えてね」

「ああ、観光プランやら色々話聞かせて貰って助かったよ」

彼女は笑顔で手を振って見送りながら従妹が帰るのを見送った。
やがて彼女と一匹の大きな着ぐるみウサギが残されると暫し無言の空気が流れる。


「ずっとそんな格好して尾行してたんだ…」

(ギクリ)

此処で変に言い訳しても酷く恰好悪いのだが、素直に謝ることが出来ない俺は両腕を組むとフンと顔を背けた。


「悪いか」

「…開き直ってるし。そのウサギの着ぐるみさっき見たな…
カイルのことだから無理やり借りたんでしょ…」

(ギクギク)

呆れたように小さく溜息を吐く日七は何やら閃いたように口許を緩めると何故か俺の手をぎゅ、と握った。
そして手を引っ張られるようにして歩き出す彼女に着いて行くように足を動かすと


「お仕置きとして…カイルはこの恰好のまま歩くこと」

「お、おい…」


俺はお仕置きという矢張り初めて聞く言葉にふざけるな、と自分は棚に上げて手を解こうとしたのだが
その前に彼女は人差し指で自分の唇に持ってくるとシーとする仕草で見上げる。


「…それを返しに行くまでは、堂々と手を繋いで歩けるでしょ?」

(ドキッ)


「それって…俺と手繋いで歩きたいってこと?」

「だから此れはお仕置きだってば…」

「……素直じゃねえな…」


解こうとした手は止めて日七の手をしっかりと握り直すと俺達は堂々と手を繋いで歩き出した。
こんな着ぐるみの恰好をしなければこんな風に彼女と手を繋いで歩けないだろう。
そんな風に日七も思って言ってくれてんだとしたら……


「…もう少しゆっくり歩いて?これ結構重たいんだからさ」


俺も全く素直になれない。
せめてもう少しこの時間が長く続くように、ゆっくりと歩こうと思うのだが言葉にするのは何だか照れる。

そんな解りずらい俺のことは、これから少しづつで良いから知っていって欲しい。

その為に……――――ねえ、俺のことだけちゃんと見ててよ。


END

Presented by HINANA
Thanks for reading to the end.



執筆一言 『ヒロインだって素直じゃない方が面白い。そして200越えした拍手ボタンを何時も押してくれる方々に贈ります。本当に有難う!励みになります。』
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