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失恋記念日……第7話
Mdg00.gif
マーク・ジョーンズ//関係:友達//傾向:切ない 【視点:ヒロイン】




――Wednesday


思いっきり人前で泣いてしまったのは初めてだった。
何故涙が溢れてしまったのか、何故涙を止められなかったのか
今となってはハッキリとは解らなかった。
ただ、包まれてた腕の力強さや温もりは今でも体に染みるように覚えている。


「今日は朝から良く食べるなあ…」

「あ、うん。今日は起きたら直ぐにお腹空いちゃって」


パパがトーストを齧りながら、そうかと嬉しげに微笑んだ。
ここ数日私の食欲を心配していたパパは、今の姿を見て安心してくれてるのだろう。
ずっと溜めていた感情が泣いた途端に吐き出された所為か
胸が空っぽになったような気持ちになった私は、それを埋めるように沢山ご飯を食べた。


これが一日のエネルギーに変わるかと思うと自然とやる気も出てくるから不思議だ。
ずっと後ろばかりも見てられない。少しずつ自分を磨く努力もしてマークの為にも笑顔にならないと。


(マークの為?為っていうか……
色々してくれる彼に元気になった所を早く見せてあげたいというか)


妙な言い訳を考えてしまうと、無意識に首を傾げながら最後の一口を慌てて食べる。
それから時計を確認しながら支度をすると学校へ行く為に家を出た。



***



校舎に続く道を歩いてた所で私を呼ぶ声が聞こえて振り返った。


「おはよう!日七

「マーク、おはよう」


朝に似合う明るい笑顔を浮かべながら私に追いつくように足早に歩いたマークは隣にやって来る。
チラリと窺い見ると、制服姿の背の高い彼は上機嫌のように鼻歌を歌って歩き出した。
追うようにして私も歩くと昨日のことについて早速謝罪と感謝の言葉を届ける。


「昨日はごめん、みっともない所見せちゃって…
でも、おかげで凄くスッキリした。本当に有難う」


最後は嘘じゃないのを証明したくて、私はにっこりと頬を緩めて微笑んだ。
こんな風に笑ったのは久々な気がする。なので上手に笑えてるのか少し心配してしまう。
けれど心配とは裏腹に、笑顔を見たマークは私以上に嬉しそうな表情を浮かべた。


「みっともない所何て一つも無かったから大丈夫。
確かに…いっぱい泣くとスッキリするよね。
ホント…今日の日七顔色が凄く良いし」


「うん、その所為か今日の朝御飯沢山食べちゃった」

「食欲出てきたんだ!…良かった。
ねえ、日七。今日連れて行きたい場所があるんだ」



何処にと尋ねるとマークは考えるように腕を組み、着いてからのお楽しみと笑った。



***



放課後になると私はマークと何処かのカフェに来ていた。
小さな白い家に嵌め込まれたウッド調の扉を開けると、中も木の温もりをイメージされた内装。
椅子も机も全て木で出来ており、まるで絵本に出てきそうなファンタジーさを感じてしまう。
盛況な人の入りも幸いにも奥の席だけが空いているようで私達はそこへ移動した。
座りながらきょろきょろしてしまう私の反応に、マークは瞳を細めて微笑みかける。


「可愛いお店だね…」

「でしょ?俺も最初見た時に驚いたもん。
……ごめん日七少し待っててくれる?」

「うん」


マークは座らず机に両手を置くと足早にその場から居なくなってしまう。
適当に時間を潰していると店員さんがトレーに乗せたケーキセットを持って来たのだから私は驚いて説明を求めた。


「あ、あの。注文はまだしてない筈ですが…」

「いえ、お連れの方がお勧めメニューを注文されたので」

「そうだったんですが…有難うございます」



ごゆっくりどうぞ、と頭を下げてから店員さんは奥へと引っ込んだ。

私を驚かす為に内緒で注文しててくれたのだろうか。
四角い皿の上に、白く丸いプリンのようなものと
丸い皿の上には、中心に穴が開いたスポンジケーキがある。
机に並べられたケーキセットを見ながら考えていると、その答えを知るべく人物が丁度向こうから歩いて来た。


「マーク!とっても美味しそうなケーキセットが届いたよ。
店員さんに聞いたらマークが頼んだって…言ってたけど?」


「うん、吃驚した?此処のお店ってフランスのパティシエが居て、
すっごく美味しいって評判なんだ」


サプライズ成功とばかりに、にこっと無邪気に微笑むマークは今度こそ椅子に座った。
片肘を置くと右手で頬杖しながら、反対の手で皿の上のデザーを指差す。


「この白いのは、ブラマンジェ。
このケーキはビスキュイ・ド・サヴォアだよ」

「へえ……詳しいね、マーク」


「まあね。好きなものは覚えが早いんだ」



早速頂きますと両手を揃えるとナイフとフォークで二人の皿に切り分けした。
最初にブラマンジェを口に運ぶと甘くとろけるような優しい味がする。


「美味しい…」

「これね、フランスでは真っ白で甘い優しい気分にさせてくれるデザートとして好まれてるんだって」


「今の日七にピッタリな気がする…」


「え……?」


ふいに見るとマークは頬杖した儘でも、その何時もの屈託の無い明るい笑みとは違って優しい眼差しで此方を見ていた。
その眼差しを見ていると、何時も近くで見守ってくれるような気がして不思議と安堵する気持ちを抱く。


「泣いてスッキリして、真っ白になって…。
それに失恋して痛みを知った分何時か人を思いやれる優しい気持ちに変わったら…
それはとても素敵だと思わない?」


「そうだね」


私は俯かずに自然と真っ直ぐにマークを見詰めた。
彼の言う通りになれたら、この経験したことも私の身になると思ったからだ。

マークは、ふ、と柔らかく微笑むとスポンジケーキ―の欠片をフォークで刺してから
腕を伸ばして私の口元に寄せると、食べさせてあげるとおどけて言った。
戸惑いながらも、ぱくりと食べる私。その口に広がる柔らかな感触と甘い味は
まるで今を一緒に過ごす時間のようだった。


けれど、この一時は溶けて無くなる砂糖のようだったと
私は後になって知る事になる――――


失恋記念日……第8話 へ続く




執筆一言 『前を少しづつ見出したヒロイン。それを見守ろうとするマークに一体何が…』
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