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失恋記念日……第5話
Mdg00.gif
マーク・ジョーンズ//関係:友達//傾向:切ない 【視点:ヒロイン】




――Tuesday


学校が終わると私はマークの家に招待された。
何でもマークお勧めのDVDを幾つかピックアップしてくれたとあって、期待しながら家路を一緒に歩く。
今日のやることは、夢中になって映画を観る、ということらしい。

肩を並ばせて歩きながらチラリとマークを窺い見ると、とても楽しそうに笑顔を振り撒きながらあれやこれやと色々話してくれる。
私も相槌を打ちながらも、不図隣で揺れるマークの手を見詰めた。失恋したあの日、マークはずっと手を繋いで歩いてくれたのだ。
優しい温もりに包まれてるようで安心したのを覚えている。
彼は女の子には特に優しいと人は言うけれど、きっとマークという人は性根の優しい人なんだろう。
私みたいに傷ついた人を放っておけなくて色々してくれるんだろうな。
ぼんやり見詰めて居ると、視線に引き寄せられるようにマークも此方に目を向ける。


「……て、ことがあったんだよ。
…ん?日七どうしたの?」

「ううん、何でも無いよ」

「なら良いんだけど。……あ、電話だ。ちょっと出ていい?」


慌てて頷くと、マークはごめんと言ってから震えていた携帯をポケットから取り出し通話ボタンを押した。
何か用件を伝えられてるのか、あまり話さず頷いてばかり居る。そうして切る直前に頬をポリッと掻いたマークが誰かに謝った。


「ごめんね。いきなりメアリーに頼んで……うん、それじゃ、また」


(あ……女の子からの電話だったんだ)


アイザックやアレックスだったら、まだ話題で聞けるのだが見ず知らずの然も女の子とあっては何も言えなかった。
言えないのは当たり前だ。私はマークのことを詮索する立場でも何でも無いのだから。
そう考えていたのに、マークは前を向いた儘喋らずに居る私に向かって、何処か慌てたように今のは友達だからと言った。




***




「マークの部屋に来るのって凄い久しぶり」

「待ってて、今飲み物用意してくるから。戻って来たら早速観よう?」

「うん!」



飲み物を取りに一旦部屋から出て行こうとするマークの背を見送りながら、私は部屋を何となしに見てしまう。
汚いわけでも無いのに、物が溢れてるように見えるのは飾られている物が多いのかも知れない。
映画が好きで沢山のDVDが飾れているのを見ればマークの部屋は持ち主に似て、ほんわかするような温かさを感じた。
何時だって夢の為に頑張ろうとするマークを私は影ながらでも応援したいと常に思っている。



「お待たせー」


扉が開いてグラス二つを運んで来たマークは、にこりと微笑んだ。グラスの中身はオレンジ色、テーブルの上にそれを置く。
早速とばかりに何処からか用意しておいたDVDのケースを数枚持つと私にトランプのように扇にして見せた。


「この作品と、これが特に良いけど。どれも本当に素晴らしい映画だから
此処で見れなかった分は持ち返って見て欲しいくらいだよ」

「借りていいの?有難う…それじゃ、今はこの映画見たいかな」


特に良いと勧められた一枚引き抜くと、マークは目を輝かせるように頬を緩ませる。
用意してくると嬉々としながら奥の方へと歩いて行くとDVDプレイヤーにディスクを入れてテレビ画面の電源を入れる。

戻って来る間際電気を消すと丁度映画が始まった。
私は暗くなると床の上に両膝を曲げて足を抱えるようにして座り画面に視線を向ける。
すると、トンと肩が触れる感触がして反射的にそこを見るとマークが私の隣に座って居た。
あまりの近さに聊か驚いてしまうと彼もまた一瞬遅れて気付き、一人分そっとずれて胡坐をかいた。


「ごめん…」

「ううん…」


少しぎこちない空気になってしまう中で、互いに画面を見詰めて言葉をポツリと交わす。
そんな空気を忘れるように映画が本格的に始まると私達は夢中になって観始めた。
私は映画が作る世界に自然と吸いこまれるように見入ってしまう。
マークが勧めてくれた映画は家族愛を軸に描かれていた。
中盤に差し掛かると主人公の妹が突然病魔に侵されてしまいそこから家族としての絆が試される。
終わりは観た人がそれぞれの思いに繋がるよう、あえてハッキリとは描かれてなかった。
独特の世界観の中に感じる人としての儚さと温もりに共感しては目頭が熱くなる。
しかし、泣きたくなかった私はぐ、と堪えて涙を呑んだ。
エンドロールが流れる間も余韻に浸るべく二人で黙って居たのだが、いよいよ映像が途切れるとマークは立ち上がった。


「どうだった…?」

「一言じゃ言えない重みがあったね…。
うん、色々考えさせてくれる映画だった」

「結末は賛否両論なんだけど、俺は良いと思ってるんだ。
そうなんだよ、俺も色々考えちゃうんだよね…」


しみじみと言うようにマークは天井を見上げて朗らかに微笑む。
何処かその微笑みは悲しそうに見えたのは気のせいだろうか。
そういえばマークのお母さんも病気に亡くなってしまったんだっけ。
フィクションとはいえ、この手の映画を観れば思い出してしまうのかな。


「きっと、妹は元気になって家族と幸せに暮らすんだろうね」


私は明るい声で話すと、マークは嬉しそうに目許を緩めた。


「うん、きっとね。
やっぱり大事な人には元気になって貰いたいし」


「そうだね」


「だから日七にも…元気になって欲しい」


「マーク…」


労わるように、見守るような瞳。そして何処までも優しい声。
じっと静かに見つめるマークから目が反らせないでいる。
私は変わりに何か言葉を返そうとするのだが、胸が詰まるようになかなか出てこない。
今、口を開いたら泣いてしまいそうだったからだ。
今の私は本当に弱くて、少しのことでも涙が滲みそうになる。
泣いたら泣いたで、きっと目の前のマークに縋りたくなってしまうだろう。


「大丈夫。すぐに元気になるよ。そんなに泣いて無いしね」

「なら、良いんだけど…」


(声震えてなかったかな…)




空元気を作って頑張って声を出す。然しそれ以上は何も言えなかった。
もし、私が泣いてしまってもマークはきっと慰めてくれるだろうに。
然し素直に甘えられない、甘えたくない自分もいるんだ。


「あ……と、俺が良いと思うのは他にもカメラアングルとか色々、
監督の手法が好きだからって所もあるよ」

「そうなんだ」


黙ってしまう私の代わりに話題を切り替えてくれたマークは
その監督の素晴らしい所を丁寧に話してくれた。
夢を語る時、人は瞳が輝いて居るように見える。
そして今楽しそうに語るマークの瞳の中にも眩い光に満ち溢れて居た。


失恋記念日……第6話 へ続く




執筆一言 『両想いも勿論好きだけど、片想いされる話は切なくてもどかしい感じがあって書くのも好きです』
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