恋乱合戦風景 【猫遊びの陣】

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【猫遊びの陣】
西軍:光秀(大将)
才蔵、政宗、小十郎、秀吉、三成

東軍:信長(大将)
家康、幸村、利家、謙信、信玄





才蔵 対 幸村
十文字槍持つ背中に俊足に近付く気配。ハッと勢い良く振り向いた幸村は槍で真横に空を斬った。
ギン、と数本の苦無がバラバラと地面に落下すると、それを投げた才蔵は片手を着いて数回後ろに回転しながら距離を開ける。
「へえ…一本くらい刺さるかと思ったんだけど」 にっこり、とする笑み。
才蔵の笑みに、幸村はギリッと奥歯を噛む。
「正々堂々正面から来い!」
地を蹴って走り込み懐目掛けて斜め下に振り被る。
才蔵は、ひょいと右横に飛ぶも、そこで瞳をキッと光らせたのは幸村だった。
着地しようと空を飛んでる瞬間につばめ返しの動きで刃の切っ先を方向転換さえ一気に叩き込む。
ギン!と一際つんざく音と共に土埃が舞うと双方動きが止まった。
風に流れて段々と視界が戻ると、才蔵は俯きながら片手を地面に置いては、もう反対では刀を既に抜いてた。
刃は幸村の槍を頭の真横でしっかりと受け止めている。
銀髪が揺れながら才蔵はゆっくりと顔を上げ緋色の瞳で睨んだ。


家康 対 三成
空の彼方がキラリと光ったのを三成は見逃さなかった。
風を切る矢の数本が秀吉目掛けて飛んでくると三成は咄嗟に秀吉の肩を力強く押して矢を避ける。
グサグサと地面にめり込む矢が見えた。
「秀吉…俺が出る」
睨み据えた三成は素早く抜刀した。
「ちっ……外した。運の良い奴…」
家康は舌打ちをすると、弓の構えを僅かに解いて忌々しそうに眉を寄せる。
然し再び数本の矢を用意すればギリギリと弦を引いては狙いを定めると、三成目掛けて矢を放した。
「貴様の矢など叩き落としてくれる!」
走りながら気迫に満ちた勢いで家康の元に辿り着く頃には、三成の後ろには何本の矢が落ちていた。
家康はハッと小馬鹿にした笑みを口端だけで浮かべると抜刀しては三成の刃を正面から受け止める。
「今度、秀吉に矢の一本でも向けてみろ…殺すぞ」
つばぜり合いの最中、キッ、と細めた双眸で三成はキツく睨むと家康もまた挑発する様に笑みを深くした。
「秀吉、秀吉…煩いな。金魚のフンの分際で…図に乗るなよ!」


謙信 対 光秀(大将)
少数の馬廻りを引き連れて各隊攻防している間を駆ける白馬がいる。
馬の脚は力強く土を蹴り風を切って速度を上げた。
陣の最奥から光秀は出てくるなり火縄銃を数丁用意させると、自身でも既に手にしていた銃を向かってくる謙信目掛けて構えている。
「…軍神の刃砕かせて貰います」
光秀は狙いを定めて引き金を引く。
するとバンッと音と共に謙信の右側の馬が倒れた。次、と命令すると新しい銃を渡され次々に撃っていく。
今度は左、次はまた右…――残る一人になっても怯まない走りに銃口を定め引き金を引いた。
閃光が謙信の頬を掠めると切れた傷から血が弾ける。
謙信は手綱から片手を離し刀を抜刀しては馬ごと体当たりする勢いで光秀の立つ位置まで突っ込んだ。
勢いに負け四方に飛び散る兵を光秀は声を掛けず自身も抜刀すれば馬上の謙信目掛けて斬りかかる。
ギンとなる音。
 「…命を懸けてこそ辿り着ける道…」
謙信は、スと目の色を殺気に変えた。


秀吉 対 利家
二人は同じ速度で走りながら刀を怒涛の様に交わらせていた。
キン、キン、とつんざく音が空気にまるで足音を作る。
「わんこ君、息上がってきたんじゃない?」
挑発する様に微笑する秀吉。
「はっ、ほざけ!」
利家が睨み吠えながら右斜め上に振り上げると、秀吉は左斜め下に振り下げた。ギンッ!
「この際ハッキリ言う…いい加減アイツから離れろっ!」
片足で踏み込むと突きを出す利家。左側に首を傾け避ける秀吉は矢張り微笑み。
「ムキになるってことは好きなんだね」
「は?」
戦闘の最中に詰まる声は隙を見せるのと同じ、手の中で転がす秀吉は利家の腹を思いっきり蹴り飛ばした。
「ぐはっ」
地面を何度も転がりズサーと片手で漸く着地すると腹を押さえながら利家は睨む。
一定の距離が開けば二人は刀を下した。
「…それ俺の台詞だから」
秀吉は威圧した笑みをにっこりと浮かべ肩で息をしてる利家に明るい声で告げる。
「幼馴染ってだけで、うろちょろしないでよ…」


信長(大将) 対 政宗
小川が流れる浅瀬にて2つの影が陽の光を吸収して刀を光らせていた。
信長は、まるで蝶の様にひらりと軽やかに舞うと、政宗の剣をかわす。
然し次の瞬間には踏み込んだ先の剣の太刀筋は一変して業火の様に強かった。
受け止めるだけで信長の力はビリビリと手にきた。
あまりの力強さに政宗は半歩後ろに下がってしまうと足元から飛沫を上げる。
「くっ!」
信長はフ、と酷薄めいた口許で悦を浮かべるも、振り上げた切先を斜め後ろで止めては政宗を眇めた瞳で捉える。
…――逃がしはせぬ。
獲物を狙う鷹の爪は政宗の喉元へ今にも突き立てそうな殺気を醸しだしていた。
然し睨まれただけで腰を抜かす者さえ居そうな信長の殺気にも政宗は臆する素振りは微塵も無かった。
虎視眈々と信長の力を針の糸を通す程の僅かな隙を分析しながら恐ろしい速さで吸収していく。
やがて、照準が合ったかの様にカッと見開いた政宗の眼はギンッと押し弾く様に信長の刀を断ち切った…――――。
「ほう…見切ったか」
興味気に眺める信長に対して細めた瞳で何処までも冷静沈着に向ける政宗がいた。


小十郎 対 信玄
少し高い丘の上。
「政宗様!」
遙か前方で信長と一戦交えてる政宗を見付けると馬上の上から小十郎は奥歯をギリッと噛んだ。
手綱を引いて馬の体を方向転換させた時に、小十郎に向ってくる騎馬の数々が立ち塞がる様にして駆けて来る。
すると真一文字に横並びになり騎馬で壁を作られると、その中央に黒馬に跨る信玄が不敵な笑みを浮かべていた。
「刀を抜いて俺と刃を交えるか、抜かず俺に斬られて死ぬか…どちらか選べ」
「………」
小十郎は真剣な眼差しで信玄を射抜くと、刀の柄に手をかけて刃を勢い良く引き抜く。
「その意気だ。手出しはするんじゃねえ!」
バッと片手を横に出して隊を制すると信玄もまた抜刀すれば、背中から噴き上げる様にして覇気を立ち昇らせた。
馬の腹を蹴ると、その勢いはまるで虎の咆哮の様に小十郎に食らいつこうとする。
然し、ギンと鳴る刃のぶつかりは、それを一刀両断とする太刀捌きで小十郎の剣が眩く光った。
すると声音低く告げる小十郎は刃の切先を静かに向ける。
「俺が刀を抜いた以上…噛み付く獣は容赦無く牙を折る…」


――東軍、西軍どちらに勝利の女神が微笑むのか…。 

~完結~


偶にはイラスト掲載。 家康 対 三成
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おまけ。 家康 対 三成(猫)
nukomituie.png

「さあ、おいで…こんな場所に居たら危ないからね…」
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END

Presented by HINANA
Thanks for reading to the end.



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