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ある日、猫を追いかける……最終話
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石田三成//関係:両想い//傾向:ほのぼの 【視点:ヒロイン】




私は早速、魚のめざしを数匹用意すると罠を仕掛け始めていた。
偶然出逢った蔵の近くには念入りに魚の数を増やす。
棒で籠を立ててその中央に魚を置く。随分古典的なやり方でもお腹を空かせてるのであれば背に腹は変えられないとばかりに出てくるに違い無い。
蹲っていると「まんじゅう女」と不躾な声が頭上から降りかかってきた。
肩越しで振り向くと逆光の為か全ての形が影に覆われてしまい表情までは確認出来ないが、その呼び名と立ち姿で三成様だと気付く。


「三成様、どうしたのですか?」

「一言だけアンタに言いに来た」

「はい?」

「俺より先に見付けることは許さない」

「え…」

「報告は以上だ」


それだけ告げると三成様は踵を返して歩くと背中を向けたのだが、随分向う迄背中を眺めていると突然…――――走り出した。


「雅か…!」


驚いて状況を素早く見れば、三成様の視線の先には可愛らしい猫のお尻、尻尾が見える。
矢張り三成様に見付かった途端猫も逃げた様だ。
私も慌てて立ち上がると小脇に魚を抱えて後を追った。突然封が切れた猫との追い駆けっこに今度こそはと意気込みを新たにする。
私は三成様とは反対側の方向へと走った。足は遅いけれどあの角まで必死で辿り着ければ挟み内が出来る筈だ。


―――……やっぱり此方へ来た!
バッ、と両手を広げた際にバラバラと、にぼしと籠が落ちてしまったが今は猫を捕まえる事だけに集中した。


「三成様ー!」

「!」

「何を驚いているのですか!一緒に捕らえますからね!」

「手を出すな!」

「目の前に居るのに何言ってるんですか!」


アンタは人の話を聞いてたのか、そう目で訴えても駄目ですよ。
私は決めてるのです、三成様の大事なものを取り戻そうと。その為なら幾ら三成様の言い付けだろうと守りませんよ。
真っ直ぐに向かって来る猫目掛けて飛び込む勢いで重心を低くすると両手を広げた。
けれど、猫は突然交互に足の向きを変えるとタンタンと軽い足取りは軽々私の横を通り過ぎる。支えようとしたものが失われれば体は後は傾くだけだ、膝を擦りむく覚悟をして瞼をぎゅっと瞑るも…―――。


「……あ、れ」


何も衝撃が無い所か、しっかりと両肩を掴まれている大きな手を感じて徐に瞼を開けた。
すると三成様が抱き留める様にして私を力強く支えてくれている。頭を揺らすと思わず硬い胸元へとくっついてしまった。
瞳だけを動かすと、こくんと動く男の人の喉仏が見える。この前背後から抱き締められた時も同じ様に密着する程、汗と三成様の匂いが濃く漂った。
顔を上げてしまえば、ずっと近くに三成様の顔がそこにあった。額にはらりと垂れる髪の毛と眇める瞼に埋められた綺麗な瑠璃紺の瞳が見える。


「…っ」


あんまりにも食い入る様に見詰めてしまった所為で三成様の頬が仄かに赤く染まってるのが解った。
けれども腕を突っぱねると私との距離を離してから視線さえ逃れようと斜めにしてしまう。


「ありがとうございます!…三成様」

「あ、ああ…」


ぶっきら棒に返事をする三成様に向って私は頭を大きく下げると、先に立ち上がる。
それから両手でふくらはぎ近くの着物の裾を捲ってしまうと膝辺り迄は素肌を覗かせてしまった。


「何をしているっ、血迷ったか!」


三成様は先程より羞恥の為か耳まで赤くすると、慌てた声を上げれば唖然に含ませて怒りを露わにする。
当然の反応なので驚かない私は三成様より先に走り出したのだった。理由は至って簡単です、猫を捕まえる為には走りずらいですからね。
肩越しで見れば三成様は今だ腰を上げなかったが、私が角を曲がる頃に漸くハッとしたのか全速力で走り出した様だった。


そうして猫を追い続ければ、私が泣く為に利用してる蔵が見えてきては、早々に屋根に登ってしまうと何処かの隙間から中に入ったのが見えた。
後を追って蔵の中に入るとカタカタと音が聞こえる。目で懸命に追うと猫の薄らとした影が棚の上を器用に歩いてるのが解った。


「これなら届くかも知れない…」


踵を上げて精一杯背伸びをすると両手を上げる。私の手平が大きな影に見えたのか驚いた猫はビクッと震えるとその場で蹲った。
逃げないで、と願いながら指の先が猫の足に触れた瞬間に飛ぶ勢いで動かれては棚の上に乗っていた箱が一斉に倒れてきてしまった。


「う、わっ…!」


咄嗟に両腕で頭を隠しながら後ろに尻餅をついてしまう私は蹲ることしか出来ない。


日七!」


けれど三成様が名を叫び勢い良く入ってきたかと思えば私の体ごと覆う様にして強く抱き締めた。


バサバサバサ…――――!

途端に足元から巻き上がった砂埃が辺り一面に舞うと鼻につくのは土臭い匂い。
白っぽい煙の最中に見えるのは三成様が盾となって身を挺してくれる姿だった。
やがて静けさだけが戻ってきた時に、三成様は小さく息を吐き漸く腕の力を抜くと少しだけ距離を開ける。
両膝を立てた状態で私の顔を覗き込んできた三成様の激昂が予想出来て、思わず瞼をぎゅっと固く瞑った。


「怪我は、無いか…?何処か当って無いだろうな…」


耳に届くのは困惑した声音だけ。睫毛を震わせて瞼を持ち上げると三成様は心配そうに表情を曇らせている。
私は何処も痛みが無く顔を左右に振っても、三成様の頭や体は砂や埃だらけだった。


「三成様こそ、大丈夫ですか?私を庇ってくれた所為で…」

「平気だ…――――それよりも…」

「やはり……アンタはそそっかしいな。常に俺が目を配ってもこうなる…」

「ごめんなさい…」


不味い。この流れはお説教に繋がるんだろう。
そう覚悟をした時だった、私の小指が何かに触れたので思わず視線を斜めに落した。
そこには砂に被った私の小さなお守りがあったのだ…――――何故こんな所に。
このお守りは京の母から貰ったもので失くしてはいけないと思い何時も自室の文机に置いてあった筈だ。
最近は多忙でしっかりと見て無かった所為か、何時の間にか無くして居たのかも解らなかった。

然し何より先に気になったのは、三成様が私が手にしたそれを目に留めた瞬間瞠った眸を浮かべていたことだった。


「ここに…あったのか?」


まるで自分が落し物を発見する様にして驚く三成様を見ていると、ある疑問が浮かんでくる。


「もしかして…三成様がずっと探していたものって…」

……――――この、お守り?


三成様は否定する所か、気まずそうに固く口を引き結んだかと思えば気恥ずかしそう目を逸らした。
そんな態度を見てしまえば、それはもう肯定以外の意味しか無いのも当然だ。

けれど一つ理解出来ないのは三成様は『あの猫から…大事なものを盗まれた』と言った。
それは私では無くて自分の、という言い方をしていた筈だった。


「でも、これは三成様の大事なものじゃ無いですよね…」


思わず目を伏せてしまうと、三成様は背筋を伸ばせば顎を僅かに上に向け業とらしい咳を一つ吐く。
普段宛ら威圧的に見下ろす形だとしても今だけは別の眼差しに見えた。気恥ずかしに揺れる瞳の優しげな翳り。


「アンタの大事なものは……――――俺の大事なもの、と変わらない」


驚き目を瞠る私に、三成様は視線が合えば等々耐えられないとばかりに片手で目許を覆ってしまうと顔自体を逸らした。
耳まで赤くして羞恥に耐える三成様が愛しくて、堪らなくなった私は気付けば両手を広げて体当たりする勢いで抱き付いていた。


「三成様!…嬉しいですっ!」

「っ!」


ドサリ…―――!

受け止めきれなかった三成様が私を抱き留めた儘に、後ろへひっくり返る。
再び埃が舞う中で三成様は今度は痛そうに片目を瞑ってしまう。然し私が上から組み敷く体勢になれば今度目を瞠ったのは三成様だった。


「ど、どけ!」

「少しだけ我慢して下さい。…私の為に奮闘してた三成様を思うと嬉しさで胸がいっぱいになりましたので…」

「黙れ…恥ずかしげも無く口にするな」

「でも本当の事ではありませんか?」

「…っ」


如何いう経緯でお守りが無くなったか解らないけれど、朝から晩まで、況してや夜遅くまで三成様はずっと猫を探し続けていたんだろう。夜に見た葉っぱが頭にささっていたのも草木を搔き分けていた際に付いてしまったのか。
城門を封鎖したり無茶苦茶な三成様だけど、突き進むのは何時だって直向過ぎる真っ直ぐな心を持っている。
だけどそれを何時も隠してしまい本音を表に出さない人。

そして何より頑なに私を避けてたのは、きっと…――――。


「三成様が先に見付けなくて本当に良かったです」

「…………」


きっと…三成様のことだから黙って文机の上に元にあった場所へと戻してしまうだろうから――――。
それが三成様なりの不器用な優しさ。私より先に見付けたかったのは、そんな優しさを見せない為だ。

まるで、猫が陽に注がれて気持ち良そうに目を細めるのと同じく私も満面笑顔で三成様の胸元へ頬を擦りつけた。
只管に私に呆れる三成様だが、そっと片方の腕が伸びたかと思えばくしゃり、と私の頭を撫でてくれる。

見えずらい感情だとしても、撫でる三成様の手付きは何時までも優しかった。


「疲れてくると…アンタの作った饅頭が食べたくなる…」

「はい…沢山作ってきます」


END

Presented by HINANA
Thanks for reading to the end.



何と言っても三成殿の魅力の一つ、最大の武器は『不器用な優しさ』です(; ・`д・´)9
これを生かせずして三成殿の魅力は語れないと思っている。

正直恋乱始めた当初は三成殿には興味が無くて、ツンデレキャラにもそんなに興味がある訳でも無かったのですが…。
何気なしにやったイベントで…ド嵌りしました(笑) なに、この愛しい生き物は…(;´Д`)>
不器用なのに優しくて一生懸命で直ぐに照れたり拗ねたり? 冷静沈着に見えて心許すと、何処までも懐いてる感じが堪らないです。饅頭食べたがるし。
なので今では私の推し殿の一人。

執筆イメージ曲:Perfume MY COLOR
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