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軍神の刃 【上杉 対 北条との決戦】
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上杉謙信//関係:恋人//傾向:シリアス 【視点:三人称】※ボル版ワンドロ用作品(お題:約束)




聳え立つ丘の上に真一文字に並ぶ大軍が居る。背には毘沙門天の旗がバタバタ、と風によって激しく揺れていた。
一色黒に染まる軍勢のただ中央一点にだけ、白い馬だけが存在している。それに跨るのは皆を率いる大将上杉謙信…――――。

昇る太陽は燦々と地に降り注ぐと、それを浴びる謙信の髪色が金色に似た輝きを放っていた。
けれど普段は柔和な空気を纏った様な立ち姿に対して今は欠片も覗かせない意思の強さだけを放った鋭い視線で全貌を見渡す。
軍神と呼ばれる謙信からは鬼気迫り、まるでビリビリと地の底から滲み上がる殺気に変るのは、幾ら味方と言えど近寄りがたいものを感じる程だった。

謙信は刀を徐に抜くと、前方に向って切先を見せる。陽が反射して輝くと、そこへ皆を導くかの如く声を張り上げる。
普段の口調とは程遠い軍神の変貌たるや、その風格を愈々見せた。


「皆の者良く聞け!これより北条勢本陣を突く!……目指すのは、ただ一つ氏綱が首!」


刀を収め馬の腹を蹴ると謙信は手綱を撓らし単騎で勢い良く前に飛び出した。それに続いて一斉に解き放たれた黒い軍勢は馬で駆け始める。
ドドドド…――――と地を蹴り怒涛に似た馬の足音は、まるで大地を砕かんとする恐ろしさすら感じた。
大将自ら一番先頭で軍を率いては白馬で駆けて行く。頭一つ飛び出した駿足の馬は大地を力強く蹴っては敵陣へ突っ込んで行った。


「…――――私に続け!余所目をくらうな!」


地を揺るがす勢いのある家臣の声と共に謙信の全てを背負う大きな背を皆が目指し追う。
すると広がる黒い色は立ち塞がる別の色に混じる様に、どんどん斬りかかっていった。
閃光の矢の如く、まるで紙を勢い良く引き裂いたように駆ける謙信からは何人たりとも揺るが無い真っ直ぐに捉えた眼だけが突き進んでいく。
その異様は気配に負けて後ろに慄く敵の兵が何人も居る程だった。


「遅れを取るな!……全軍この儘、突き進め!」


士気を鼓舞し続ける謙信が吼えると、我先にと至る所で声を挙げる上杉の猛者達は一斉に総攻撃に入った。
疾駆の馬が砂埃を巻き上げながら、あちこちで刀が激しくぶつかる轟音が響き始めた頃に謙信は前方に鈍く光る物が見えた。
ずらりと横並ぶ陣形を組んだ弓の隊が、向って来る謙信率いる上杉の武者達を引き付ける様にして狙っている。
それを見詰める謙信の眇めた瞳は、まるで氷塊の様な硬い闘志が宿っていた。それは廻りの熱気には一切溶け無い。


「悪いけど、押し通させて貰う…」


軍勢は足止めを食らいながら数を削がれても、一際謙信の白馬は鬣を揺らし速度を増せば、ただ只管真っ直ぐに疾駆した。
手綱を引きながら再び刀に手を伸ばすと、シャ、と音を鳴らして素早く抜刀する。するとそれを合図にした様に一斉に敵の弓矢が放たれた。

ヒュン、と空気を裂く音が放物線を描きながら雨の様に降ってくる。その矢の切先は、まるで陽を吸収した星屑に見えた。


(今度こそ全てを護ってみせる)


青空から飛び出す矢の数々に、俊足の速さで立ち向かっていく一騎は風を切る。後方左右で矢が命中して呻く声が聞こえても謙信は一切振り返らなかった。真横で矢が地面に突き刺さると、土が舞う最中謙信の刃は飛んでくる矢の軌道を的確に変えながら一つ一つ叩き斬っていく。


(……――――この刃に誓って)


「何をしてる!放て!放て!」

謙信の一群が崩れないと知ると指揮を執る兵は焦り声で叫んだ。けれど気付いた時には上杉の黒は闇の如く全てを呑みこむ勢いで敵をひれ伏せていく。戦火を背に靡く毘沙門天の旗が敵の懐目掛けて果敢に斬り込むと瞬く間に弓隊を壊滅に追い込む。
そして愈々弓矢が間に合わない距離まで迫ると謙信の白馬は地を思いっきり蹴っては膝を立ててた一人の頭上を軽々飛び越えた。
一瞥くれた視線を戻すと着地を待ち構えてた刀を握る兵達が居る。謙信は手綱を強く握ると素早い太刀裁きで振り斬っては再び勢い付けて前進して行った。


(そして日七…――――私は君と生き続けると約束をした)


「…ならば、この刃を邪魔立てする者は、容赦無く叩き斬る!」


約束を護る為に刃を振るう。言い放つ声音からは命を燃やす力強さがあった。
走る事で砂が激しく舞うと駿足を生かした謙信の白馬は、馬廻を引き剥し今は殆ど単騎に近い。
けれど、その時斜め前方から矢に似た早さで誰かが飛ばした槍が目掛けてきた。然し謙信は敵の刃を弾くことで反応が遅れてしまう。

「!」

見開かれた謙信の瞳の中心に段々と大きくなる槍の切先……――――。



***


一方、城で謙信を待つ日七の手からパリン、と皿が落下する。
炊事場で割れた皿を見詰める日七は心配そうに眉根を寄せた。
謙信の為を思い胸元に手を重ねると一心に願う。如何かご無事でと…――――。
然し割れた皿を見れば何処か不安を覚えた。


***



カラン、と槍が落ちると謙信の目前に立ち塞がる大きな影があった。
勢いづいた馬の前足を高く上げながら謙信を庇うようにして立っている。
陽を背負って逆光の為か姿が見えにくいも、頭に構えてるのは『愛』の印な兜。
謙信は驚き瞼を見開くも、直ぐにス、と眇める瞳に戻して相手を真剣に見詰める。


「兼続…」

「貴方の背中を守るのが私の役目、後ろは振り返らずお行き下さい!」


前方、後方からも敵が大勢迫ってると、猶予も無いと悟る兼続は再び大声で叫ぶ。


「何をしてるのです!護るべき先を進まずして何が見えますか!…もう、何も見失ってはなりません!」


話すその間にも二人には怒涛に似た切先が向けられギン、ギン、と馬上で弾き飛ばしていた。

「………」

謙信は無言で兼続を静かに見据え小さく頷くと馬の腹を蹴ろうとした僅かな合間に、こう言い放つ。
それは普段と違い絶対的な主としての命令口調だった。


「命を落とすことは許さない……――――必ず生きろ」

「そして約束しろ。…共に日の出を見ることを」


謙信は背を向け颯爽と駆け出した。軍神と呼ばれる背中に守るべき強さを背負って…――――。


つづく
Presented by HINANA
Thanks for reading to the end.



陣形:長蛇の陣
先頭:上杉謙信
その直ぐ下 :直江兼続
真ん中:甘粕景継
最後尾:柿崎景家 (殿は少数)

長蛇の陣
長蛇のようにのびた陣形。中央が攻撃されたら、先頭と後尾が敵を討ち、後尾を攻撃されたら先頭が敵を討つといった、敵の攻撃に応じて、まるで蛇のようにクネクネと柔軟な戦いができる陣形。

合戦好きな為に書くのが楽し過ぎた。時間制限があったので、次につづけたいです。総攻撃な為に柿崎景家も甘粕景継も出す予定であります。殿勇士が好きなので姫登場は矢張り少ない。忠実の上杉も大将先頭で走った伝説があるので執筆致しました。
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