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追いかけたい背中
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フレッド・カーター//関係:幼馴染//傾向:切ない//時代:高校生 【視点:ヒロイン】※フレッドS3メンバー全員が幼馴染です。※ボル版ワンドロ用作品(お題:追いかけたい背中)




※IFの世界。本編とは違う設定の為に此処から先は全てにおいて自己責任でお読み下さい。



あの日、避暑地の公園に向かう子供達の影があった。
ユリエル、リタ、ローズ、フレッド……――――そして私。

夏の太陽は燦々としており肌をじりじりと焦がす程の熱さを感じた。
眩しい。眩しく仕方が無い。陽を隠すべく片目を瞑って先を歩く皆の後から必死について行く。
こんなに追い付けないのは私が年下の所為だからか。あの頃の私はそう思っていた。
時折誰もが私を気にはしては肩越しだけで振り返ってくれたけれども、愈々体力も削れて足は今にも止まりそうだ。
はあ、と胸の奥底から深く息を吐き背を丸めて白いアスファルトを見詰めれば途端に暑さの所為で汗が蒸発するのが解る。


もう追い付けない…――――。


瞑ってた両目を開けると私の足元を覆い隠す様にして、ゆらりと黒い影が出来ていた。
その何かを見ようと背を徐に戻すと先を歩いて居た皆の輪から抜け出た様に一人の男の子が立って居る。
逆光の為か、まるで表面に影を塗った姿は目を随分細め無いと解らなかった。


「俺と一緒に行こう…」


耳にゆっくりと浸透していく様な優しさに満ち溢れた声と、その雰囲気を醸してる垂れ目の目許が見える。


「フレッド…」


フレッドは方腕を私の方へ伸ばしてくれると手平を見せた。
その手を握ってもいいのか迷う私に口許を緩めた笑顔で大きく頷いてくれる。
より目尻が下がった優し気な空気は陽と同調する様に微笑みそのものが、眩しい太陽にも負けない程一段と耀いて見えた。
握った手の温度もまた私の心に安堵を齎せてくれる。行くよ、と言いながらフレッドは心強く引っ張る様にして前を向くと手を引いて歩き始めた。


フレッドの手は私より体温が高かった。そして何時だって不安そうな顔をした時には、私の手を握ってくれる。
眩い光に包まれた皆の輪の中に引き込んでくれる様に、気付けば私の手を引いて前を歩いてくれる人になっていた。
私達5人は子供の頃から一緒で瞬く時間を共に成長していき、まるで洋服のボタンを上から順にかけていく様な、そんな穏やかな思い出だけが重なっていく――――……。



***



日七の制服姿を見ると、今だに不思議な気持ちがするよ」

「もう高校生だもんね」


コンスタンス・ビラードとセント・ジュードの間にある中庭に座りフレッドと私は話していた。
今はランチをしながらも、互いにあった出来事で楽しく雑談している。
歳が違うので学年も違えば学校も違うのだが、それを除けば昔から何も変わらない関係が私達にはあった。
唯一、探すなら身を包む洋服が制服に変わっただけだ。


「アンタの体型だとスカートの丈が長くて直すの大変だったんじゃない?」

ローズが皮肉たっぷりに二人の間に割って入る様に言ってきたので、私は口端をム、と下げて嫌な顔をする。
その反応が面白いのかローズはくすりと笑うとフレッドの隣へ近付いてはぴったりと近くで座った。
長い黒髪をした色付く瞳は普段から自信に満ち溢れてる。そんな綺麗な顔立ちをしてるローズは最近モデルの仕事を始めたと自慢気に言ってきた。


「ねえ、フレッドに近過ぎない?」

「いいでしょ。ほっといて」


ローズとは同じ歳もあってか子供の頃から口喧嘩の仲は相変わらずだ。大好きなお兄ちゃんを取り合う姉妹、そんな感じだと思う。
フレッドが小さい頃から私ばかりを構う所為か、それがとても気に入らないと散々言われてきた。
そんなローズは今、邪見にされないのを良い事にフレッドの腕に甘える様に頭を傾けては満足気に微笑んでいる。


「相変わらずな二人だな…仲が良いんだか、悪いんだか」


フレッドは眉を寄せてからクロワッサンを一口食べた後、私とローズを交互に見てから面白そうに口許を緩ませた。
懐かしさに似た声音と歳を重ねてもフレッドの笑顔は変わらず陽に似た輝かさがある。大人に近づくにつれて雰囲気もどこと無く爽やかさに磨きがかかってる様にも見えた。その結果となってか、フレッドは今や沢山の女の子から憧れの的にもなっている。
そんな幼馴染が居るなんて何だか鼻が高い。妙にくすぐったさを感じて私は誤魔化す為にプチトマトを口に押し入れた。


「此処に居たんだ…探しちゃった」


ふわりと穏やかな風を纏ったかの様な優し気な声が突然聞こえた。リタだ。
ローズはリタが来ると何時も機嫌が悪くなる。この日もまた同じくフレッドの腕の服を摘まんだかと思えば、嫌そうに眉根を寄せた。リタは、ローズとは違う美しさが全体に宿った美貌があり、例えるならローズが華やかさ、リタは麗しいと言葉に嵌め込む事が出来る。栗色の柔らかそうな髪の毛と目許から滲み出る可愛らしい色も混ざると、それは素敵な女の人に見えた。
フレッドが女の子にモテるなら、リタは男の子にモテる。相対した二人もまた私と同じ幼馴染とあっては自分の事の様に嬉しさも感じた。

そんなリタは当然輪の中に入るものだと思ってた。然し立った儘に両手を合わせると、晴れやかな笑顔を皆に向ける。


「実は皆に報告があるの……――――私ね、特別なボーイフレンドが出来ちゃった」


皆の頭上から綻ぶ口許を見せながら肩を竦めて嬉々とするリタ。
その時、向い合う様に座ってたフレッドの指先がぴく、と反応した様に見えた。
視線を上に向けて表情を窺うと驚きの狭間に一瞬だけ見えた不確かな感情。それは寂しさや悲しさに似ている。
そんなフレッドを見ると、チクリと胸が痛むのは彼の表情が少しだけ辛そうに見えたからかも知れない。


「そうか…。おめでとう」


やがて、祝福の言葉に似合うべく穏やかな声で告げたフレッドは眉を寄せて口許に憂いな微笑を滲ませた。

その笑みを見た途端に私の胸で何かが弾けたのは、フレッドが本当に困った時にだけ浮かべる笑顔を見た所為かも知れない。
ハッと息を呑むと、まるでその呑み込んだ空気によって胸に幾つも穴を開けられたみたいだった。
それからリタが漸く輪に入ってランチをしながら話しに花を咲かせても、フレッドはそれきり黙った儘に一度クロワッサンを口に寄せても食べようとはせずに持ち上げた腕を再び下す。私もまた同じ様に2個目のプチトマトは口に寄せただけで元に戻した。


何故か。ズキリと胸が痛む…――――。



***



ランチを終えて校舎へ戻ろうとすると、向こうからユリエルが歩いて来た。
フレッドが爽やかならユリエルは知的な雰囲気そのものだった。ローズと同じ瞳の色をし、さらりとした黒髪が風にそよいでる。
急ぐ訳でも無くゆったりとした足取りは私の目前で漸く立ち止まると、僅かばかりの口角を持ち上げて皆を見詰めた。


「ユリエル、もうランチ終わったわよ。一緒に食べようと思ってたのに」


リタが残念がると、ユリエルは途端に眉根を寄せて短い息を零した。呆れ顔をしていたとも言う。


「ガキじゃないんだ。この歳になっても、皆でつるむのは好きじゃない」

「そんな言い方無いじゃない。今日は嬉しい報告があって皆に教えたかったのに…」

「嬉しい報告?」

訝しげにリタを見るユリエルに対して、リタは笑顔を滲ませると幸せのお裾分けとばかりに先程の告白を同じ様に告げた。
先程と違うのは「おめでとう」の祝福は無く、ユリエルは感情の読めない静かな顔でフレッドだけを見詰める。


「リタ。お前…」


ユリエルが口を徐に開くも声はずっと小さく隣に居た私位しか聞こえないとばかり思ってが、フレッドは笑みの欠片も見せずにずっと真剣な表情を浮かべればユリエル対して首を小さく左右に振った。何も言うなと何かを制してる様にも見える。
再びズキリ、と痛む胸が、まるで私に警告を鳴らしてる様だった。遮断機の向こう側を決して見るな、聞くな、と捲し立てるのだ。


その時、リタが私の横を通り過ぎた瞬間に大きな気配を感じた。ぶわ、と空気が振動する程二人に向って勢い良く倒れ込んでくる男子生徒が居た。

「きゃっ!」

「っと、ごめん!」

友達とふざけた男子生徒が後ろへジャンプした際に運悪くリタと私に体当たりしてしまったのだ。
ズサッと二人同時に地面へ吹き飛ばされてしまうと、男子生徒を挟むようにして右に私、左にリタが倒れた。
何事かと一気に周りが注目しだすと騒然とする様にざわざわしだす。私は伸びた手足を引き戻す為にずるずると擦っては蹲ると、男子生徒が慌てた様に手を差し伸べた。

私は誰かの手平をじっくりと眺めてしまった。フレッドでは無い別の手を。そこへ伸ばそうとすればぴくりと指先が止まってしまう。
緩く左右に頭を振って大丈夫と見せると男子生徒は謝罪の言葉を残してその場から去った。


「リタ!」


一際通る大きな叫ぶ声で名を呼んだのはフレッドだった。
肩越しだけで声のした方を振り返ると丁度私の横を風をきって通り過ぎるフレッド。そして滑り込む速さでリタの元へと片膝を立てて座り、背中に手を添えて直ぐに抱き起した。頭を抑えながら痛みに片目を瞑るリタは小さな笑顔を浮かべている。


「怪我は無い?」

「うん、大丈夫。ほんの掠り傷だもの…」


フレッドは空いてる手を使って頭や足や腕等色んな箇所を必死で探してる。リタに言われても他に怪我が無いか自分の眼で確認してるのだろう。
それからの動きは早かった。フレッドはリタの膝裏に片腕を差し込み、ふわりと横に抱え上げてしまうと向こうへと背を向ける。


「ちょっと平気よ?私」

「駄目だ。…無理やりでも連れて行く」


初めて聴いた。僅かな怒気を含んでるフレッドの声を…――――。
二人の状況は最早見世物の様に周りは、はしゃぐ様な大きな声が出始めた。それもその筈、美男美女の絵に描いた二人がそこには居る。


タタタタ…――――。


正確に言うと『居た』
今は、走り出したフレッドの大きな背中とリタの揺れる足先だけが段々と小さくなって人の狭間に消えて行く。
食い入る様に見詰めていると背後からユリエルが腕を掴んで勢い良く引っ張って起こしてくれた。


「アイツ、リタのことになると目の色変えるな」


ユリエルが言った瞬間に、子供の頃行った避暑地での白いアスファルトが足元に浮かんだ。
あの時は、ただの影だったけど今は四方へ亀裂が入る様にヒビ割れていく様にも見える。
その隙間は闇の底が見えない程深く、何かが音を立てて崩れていけば亀裂になった所へ沢山の感情が漏れ始めた。

表面には決して見せれない、ほんの隙間でしか本当の感情は零せない。


私もフレッドと同じだ…――――。ひた隠してる気持ちを『業と気付かない自分』を演じていたに過ぎ無かった。
本当はずっと前から気付いていた。心の片隅に生まれてしまった直向な気持ちがある事を。
それは単純なものであっても、私にとっては最も難しいものだった。決して言え無い『本当の自分』。
何時も引っ張ってくれた私より体温が高いあの幼い手を求める様に、今は遙か先迄姿形さえ見えない背中に向ってそっと手を伸ばす。


もう追いたくても、追い付けない…――――。
私は……――――フレッドが好きなんだ。


ポツ、と頬を伝う涙が零れると涙の膜で、自分を取り巻く世界が歪んで見えた。
私達5人は子供の頃から一緒で共に成長していき、穏やかな思い出だけがある筈だと思ってた。

なのに。ねえ、私達一体何処から、そのボタンをかけ間違えてしまったんだろう…――――。


END

Presented by HINANA
Thanks for reading to the end.



ユリエル(♂)ローズ(♀)が兄妹で、リタ(♀)そして、GGメインキャラのフレッド(♂)です。もしもの世界でフレッド過去編として舞台を高校生にしました。全員が幼馴染もIFの世界ですが、同じ様に成長してもそれぞれには違った世界が生まれており故にそこからそれぞれの気持ちが行き交うと複雑になっていた。みたいな。その中で葛藤する片想いのヒロインを書きたくて執筆しました。
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