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業火の下で足枷は繋がる
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霧隠才蔵//関係:両想い//傾向:シリアス 【視点:三人称】※才蔵 対 風魔の一騎打ちです。※ボル版ワンドロ用作品(お題:時間)




空の闇にて下から色が変化する迄に、勢いある炎で焼かれる廃屋があった。
轟々とする音は、横から吹く風と共に白煙を撒き散しながら木材の焼け焦げた匂いが異様に鼻につく。
そこで烈火の炎を背負いながら、一人の影がまるで立ち昇る煙の様な影を地に写していた
――――その影となる名は風魔小太郎。
そして紅に浴びる風魔とは対称に夜の静けさから抜け出た様に、才蔵は物静かに相対して立って居た。


「此処に密書があります。才蔵さんは、きっと喉から手が出る程欲しい物です……が。此れを差し上げるのは僕と遊んでくれることが条件ですよ」

「…………」


条件を聞いても才蔵は今だ両手に刀を装備していなかった。静かな無言を貫き只管、緋色の瞳に背後に揺らめく炎ごと風魔を映している。


「あれ、可笑しいですね。……何故、僕を殺さないんですか?密書が欲しく無いんですかね。それとも別な探し物があるとか……」


言葉の欠片に、つと僅かに細めた眼があったのを風魔は見逃さない。
やけに恍惚した嗤いを口許だけに滲ませると、才蔵の出方を今かと今かと待ち構えて居る。仁王立ちしながらも片手で掴んだ密書を見せびらかす為に業と風魔はヒラヒラと紙と動かした。


「ほら、刀を抜いて下さい。どの道、僕を倒さなければ密書は手に入りませんよ」


密書を懐に隠し込もうと風魔は自らの襟の合わせ目に片手を入れて深く隠してしまう。


「ああ、それとも言い方を換えた方が才蔵さんも本気になってくれるでしょうか。けど、向こうに助けに行っても無意味かも知れません。……――――僕が少し甚振っただけで、もう虫の息でしたから」


向こうと顔だけで振り向き火事を指した風魔に対してざわ、とした突風に似た感情が才蔵を突き抜けると、瞼を見開いた。
風魔はその大きな反応を見るなや、段々と興が滲んだ色を一気に噴出したかの様に大きく開眼した眼。
嬉々として浮かべた唇で盛大に嗤った。楽しくて仕方が無いそんな歪な微笑だ。


「楽しいな…。才蔵さんと遊べるの、僕は楽しみにしてたんですよ」


途端、己の武器とする鎖鎌の鎖だけを手首を捻り回す様にして、ひゅんひゅんと音を鳴らした。分銅が残像の如く高速で円を描くとその先を才蔵目掛けて矢に似た速さで飛ばす。

けれど目の留まらぬ速さとて、才蔵は前を見据えた儘に無の表情を崩さず顔を横にずらしただけで糸も簡単に避けた。
傾いた重心を一度蹲る様にして方膝を立てれば、頭を下げながら両手を後ろに回して二つの刀を瞬時に引き抜く。
シャッ、と刃先が鞘に鋭く擦れる音がすれば、しゃがんだ事で大きく銀髪を揺らしながら才蔵は唇を徐に開いた。


「少し痛めつける位じゃ腹の虫が収まらないが……お前に割く刻さえ今は惜しい。猶予も無いから手加減はしないよ」


伏せてた瞼を持ち上げると、スウと一瞬で変化する緋色の奥底から業火に似た色が滲み出てくる。そして身に纏うのは冷酷な迄の殺気。


「……はは……!あはは!そうこなくっちゃ!!……いい眼です、才蔵さん!殺気立つ雰囲気、僕は心底気に入ってるんですよ!」

「お前何かに気に入られても嬉しくも無い」


言葉尻を最後に、二人同時に地面を蹴り上げると先に風魔は鎌を持つ手を手元にぐっと引く。その反動を利用して前に勢い良く投げ飛ばした。才蔵は目前に飛んでくる鎌の先を頭を引いて避けると、切っ先が髪の毛を数本刈り取る。

そして片手を地に置いてふわりと側転すると、風魔は体ごと反転させる様にして鎌を引いてから、才蔵の着地点を予想して分銅を投げた。けれども手を置いた瞬間、別の方角へと回転する姿で風魔の攻撃を避ける才蔵。それはまるで、ひらりと舞う蝶の如く鮮やかだ。

分銅を何度飛ばしても、地面に減り込むだけで悉く擦りもしない才蔵に風魔は口を開いてせせら嗤う。


「ははっ、全然当たら無いや……矢張り貴方は強い!」


今度は才蔵から斬るかかるも、風魔は鎖を縦の線にしてガキン、と防いだ。二度、三度と押し通る様にして才蔵は前に踏み出しながら風魔を追い詰める。けれど追い込まれた所で逆に風魔は楽しげに眼を吊り上げるだけだった。

ジャララ、と風魔は何度目かの鎖を鳴らして放物線を描けば才蔵は空中に飛び上がりながら、苦無を取り出すと宙で鎖に当てた。
火花を飛び散らせると、ガキン、とその軌道を変えた次の瞬間、瞬きした風魔の前に才蔵が飛び現れる。


「遅い。何処見てんのさ」

「!」


才蔵は眼を眇めながらクス、と音のしそうな酷薄な微笑を口許に張り付かせると目前で着地した後、上半身を低くすれば腰を入れて風魔の懐に鋭く刀を打ち付ける。


「ぐっ…!」


強烈な一撃が風魔に貫けば、その痛みのあまり一歩後ろに下がった。才蔵は片腕を前に突き出した状態で背後に居る風魔目掛けて肩越しだけで見遣る。まるで冷たい氷が緋色の赤を全て消すかの如く、それは何処までも冷めた瞳だった。


「斬っても良かったんだけど、お前の本望になるのは癪だから」


刃先とは逆に峰の部分にて打撃をかました才蔵に、風魔はわなわなと肩を震わせて怒りを露わにする。


「何故ですか、才蔵さん。……僕達は闇。忍なら決して人の奥底に根付く事は許されない筈です。……散々見てきましたよね?人の裏側が如何に貪欲で、私利私欲に塗れた愚かな生き物だってのが」

「……そうだとしても…――――」


才蔵は続く言葉を止め、強い視線だけを風魔に向けた後は残像の如くその場から飛び去った。
風魔は眼だけで影を追いかける。すると、紅い塵が輝きながらまるで業火に焼かれてる様な屋根の先へと飛び移った才蔵は、先程とは打って変わって何処か儚げな眼を浮かべた。

それから風魔に向かって唇を開いて動かすも、当然声は届かない距離にいる――――。



***



蹴り破る壁を次々に才蔵は火事の建物に入ると、中央で倒れてる日七が見えた。
炎は辺りだけを焼き尽くしてるだけで日七自身は今だ無事だ。急いで駆け寄ると、大きな怪我をして無いかだけ簡単に確認しただけで意識を失っている日七を直ぐ様、横抱きにすればそこから逃げ出す。

そして別の出口から足だけで焼けた襖を蹴り上げると、外へ出た瞬間その足首にジャララ、と鎖が巻かれた。


「あはは…僕、解っちゃいました!」


巻かれた鎖を辿ると風魔は、にっこりと人当たりの良さそうな笑顔を浮かべながら反対の手でも鉛色の鎖を手に巻きつけ才蔵の足首にギリギリと食い込ませる勢いで詰め寄る。
ガクン、と日七を持つ手が動くも才蔵は決して離すものかと腕に力を込めた。その時、動きによって日七は意識を取り戻す様に薄目を開ける。


「矢張りその女が、才蔵さんの足枷になってるんですよね……そうなんですね。だったら僕は『その』足枷を粉々に引き千切ってあげますよ」


才蔵は答える間も無く冷ややかな目線を向けた。それから日七を抱えてた片腕だけを解き腰から小刀を引き抜くと振り被ってから勢い良く鎖を斬ったのだった――――。



***



やがて降ろされた芝の上で日七は今だぐったりとして居た。
意識は朦朧としており、才蔵は頭を片手で支えながら竹筒で水を飲ませてやるも、こほこほと弱々し気な喉は全て吐いてしまう。


日七……」


一度、囁く声を挟んでから才蔵は竹筒を自分の口許に寄せると口に中に水を含んだ。
そして覆い被さる顔の影で辿り着くのは日七の唇へ。そこへ才蔵は自らの唇を、ぐっと深く重ねれば含んでいた水をゆっくり注ぎ込む。暫く、何度も繰り返すと日七の口端からつーと筋が溢れるのを才蔵は親指で拭ってから、空になった竹筒を放り投げた。


「才蔵……さん…」


喉を鳴らして水を飲み漸く眼を開けた日七は、開口一番に心配そうな声音で聞いてくる。


「……私は才蔵さんの足枷になってるんでしょうか」

「なってる」


考える間の無い迷いを見せず、然もハッキリとした答えに思わず瞠目を表す日七だった。
才蔵の足を引っ張り危険な状態に陥らせてしまう、そんな存在に自分がなってるのかと思うと背筋を凍らせる。


「……――――と、言ったらお前さんは離れていくの?」


だが才蔵は途端、眉根を寄せて困った様に微笑むものの、その嗤いに含まれてるのは優しい声音だった。


「離れませんよ……」

「なら、しっかり繋いでおけばいいよ。……足枷だからこそ、俺は生きていけるんだから」



***



今だ焼かれた建物が今にも崩れ落ちそうな音を立て始める最中、風魔は二人が消えた夜空に視線を向けていた。


「絶対…断ち切ってやりますよ」


風魔は、はは、と乾いた笑みを小さく残してから握りしめる鎌の刃先を夜空に誓う様に向けるのだった。
そして足元で引き千切られた鎖の輪の数々を見ながら、先程屋根に降り立つ才蔵の言葉を読唇術で脳裏に蘇らせる。


『俺は、もう…――――生きることから目を背けたりしない』


END

Presented by HINANA
Thanks for reading to the end.



ワンドロ初参加。恋乱殿方は戦わせるのが大好きなので姫様出番少なくてすみません。お題は「時間」=「助ける時間が無い」と浮かび才蔵さん対風魔で執筆致しました。台詞は考えておいたんですが、いざタイマー回して60分で書くとなると…まあ、大変でした(笑)なんせ超高速タイピングなんで。え!?もうこんな時間とか騒ぎながらも分量多めですが、台詞を幾つか削ってしまったので何時か他で生かせればと思います。楽しかったので又参加させて下さい。(ご挨拶)
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