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幻想の鳥籠で眠る儚い小鳥
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霧隠蛍//関係:護衛//傾向:切ない 【視点:三人称】 ※姫背景はオリジナルになります。




※姫背景はオリジナルになります。此処から先は全てにおいて自己責任でお読み下さい。


夜の幻想は蛍の瞬きによって魅せられた儚い夢の欠片、それは散りばめられた小さな燈に見える。
地を静かに踏む足音が女の背後に近付くと、夜空に手を伸ばしてた指先がぴくり、と震えた。


「……誰?」


肩越しで振り返ると誰かの足元が見える。それを確認してから女は着物の裾を揺らしながら体ごと漸く振り向いた。丁度満月を隠してた雲が流れると月明りが段々と照らし合わせるように徐に足から上へと姿を映していく。体付きを見れば男、武士とは違う衣を纏いながら顔も見た。そよぐことで光を吸収するかの如く銀色に輝く髪の毛、首元に巻いた緑の生地を夜風で靡かせながら真っ直ぐに向ける緋色の瞳がそこにあった。感情の一切読めない表情にも、深い瞳の所為か顔付はとても精悍に見える。


「私を…殺しにきたのですか?」


女は諦めた様に目を伏せると儚げに呟いた。男はその言葉通りとばかりに片手を後ろに回して武器を持とうとした――――。



** その数刻前(夕方近く) **



「城は焼け堕ち唯一、一人だけ生き延びたのだ…」


低い声音に老が混じった様に弱く告げる館の主は嘆くように頭を振った。
それを言葉も無く静かに聞いてる者が居る。夕陽が襖近くで正座する、二つの影だけを長く伸ばしていた。
胸の吐露を告げながら主は寂しげな眼差しで部屋の奥へと視線を投げる。そうして全てが終わると事の事情を聞いたその内の一人の者は背筋を伸ばしながら静かに口を開いた。


「…ならば、そのお役目謹んでお引き受け致します」


艶のある紅をした口許が薄い微笑を漂わせると、それから隣へと流すような瞳を向ける――――。



***




男は、サッと掴んだ苦無(クナイ)を指の間に挟めば忽ち女目掛けて勢い良く投げ込む。
けれど飛ばした苦無は姿を避けるように四方に飛び散った。女の髪を揺らし夜風共々斬る勢いの儘すり抜けた後、鈍く突き刺さる音が聞こえる。


「ぐあっ!」


そして草影の狭間から二人とは違う別の声が苦無の数だけ悶絶した声を上げながらその場に崩れ落ちた。
刹那、最後の一つを刀で弾いたのか一人の忍が勢いを殺さず地を蹴り上げると大きく被る様にして切先を背後から女に目掛ける。

ガキン、と刀を弾いた激しい音と同時に前に居た男の腕によって肩を掴まれた女は、あまりの力強い引きによろける様にして後ろへ下がった。そして男は片手を軸に、宙返りして体を捻ると間髪入れずに片脚で忍の脇腹を目にもとまらぬ速さで蹴り上げる。

ズサッ、と砂埃を撒き散らしながら倒れた忍は、反撃の為に上半身だけを持ち上げれば苦無を男目掛けて打ち込んだ。
自ら高速の風を作り纏った様に刀で全て防ぐと、弾いた後に僅かな隙が出来るのを忍は見逃さなかった。
気付くと今度はずっと近くに居た忍は今度こそと女の命を狩ろうと刀を振り翳す。


「…っ」


息を呑み覚悟を決めて両瞼を瞑った女だけれども、何故か痛みは一向にやってこなかった。
ドサリ、と代わりに聞こえた目前で人が倒れる音を聞くと固く閉じていた瞼をそっと開ける。

瞼の裏側から闇を切り裂くようにして段々と視野が広がってくる。
まるで幕の様に上下に捲れながら見えた先には、蹲った男が銀髪の毛を逆立てる如く片手を地面に下して片膝を付いている姿だった。片手で握った刀の切先は空高く掲げられる様に向けても、ポタポタと斬った血を滴れ落している。

そして俯いた状態で漸く引き結んでいた唇から、解き放つべく言葉を紡いだ。


「……その命を護る為、死力を尽くし盾となる…影……」


見る姿より、ずっと低い声音でそう告げた男は返り血に身を染めながら、動作を静かに解くと刀をそっと鞘に納める。
それから女は足元に転がった屍を一瞥しても動揺を見せずに、男の方へと足先を向ければ距離を縮めた。
此方へやって来る足音を聞きながら男は動作を変える様に今度はしっかりと片膝を立てその膝の上に手の甲を乗せれば頭を軽くだけ下げる。


「護る…影…」


呟く女は身を屈めてから両腕を伸ばし、男の俯いた顔を持ち上げる為に頬に指を添えた。
途端伝わる柔らかな質感に自然と瞳を細める。男の顔を上に向かせば、それは美しくとても端整な顔立ちをしてた。
目鼻立ちの良く引き結んだ唇の形でさえも、まるで美だけを表面に現してるとばかりな顔付き。何よりそこから生まれる凛とする空気がより美に強調した様に一層強く醸している。けれど何処か幼さな雰囲気を残すのが年齢の所為では無いかと女は勘で思った。


「――――……名は?」


見詰める視線が交差しながら、真っ直ぐに射抜く緋色の瞳が月光によって降り注がれる光の粒を吸収する様に煌めいて見えた。
間を置いてから静けさは依然に残してから男はゆっくりと立ち上がると、突然女の顔間近くに拳を速く突き出す。

直ぐ耳の近くで伸ばされた手首があるのを女は視線だけで追うと、ゆっくりと腕を退いた男の拳は、反対の手で蓋をする様に重なった。そして両手をそっと丸く合わせれば、女の前へと両腕を伸ばす。それから蓋を開けるように徐に両手を開くと途端、その手が光耀いた。


「蛍…?」

「…………」


淡く照らされる一匹の蛍が両手の上で輝いている。女の言葉に頷く男は、静かに答を告げた。


「俺の…名前…」


『…――――悲しい娘なのだよ』


記憶が呼ぶ言葉に刻まれた真実の意味を隠す様に、蛍は一度目を伏せると手に乗る虫を空に帰そうと腕を軽く持ち上げる。
すると微かな振動を合図に虫の蛍は辺りを舞う様に飛んでいった。


「私は…日七です」


日七は飛んでいる淡い光の数々から目線を外す事無く蛍に名を明かす。
けれど蛍は頷くだけで他に返事が聞こえ無い。それでも日七は何も気にしなかった。
夜の幻想は魅せられた儚い夢の欠片だとしても、小さな燈からは何か意味がある様にも感じる。
命の一滴を絞り出すように光り輝く代償として短命で駆け抜ける虫。それ故に強く惹かれるものが日七にはあった。

そんな名と同じく自分を護ると誓う不思議な縁(えにし)――――。
不図、隣で盗み見ると蛍は首元に巻いた布に指を引っ掻けながら、何故か遙か上空の鳥だけを見詰めていた。


『所詮は鳥籠の鳥だ。深く傷つき自ら遠くに羽ばたく事が出来ぬ…――――悲しい娘なのだよ


だから、如何か…――――護ってやって欲しい』




>>続く




霧隠蛍君に全力で護られたら素敵過ぎる。よって素敵才蔵様の作品は沢山あるけれど、蛍君ってなかなか無いのが寂しいので執筆したくなった。サブじゃなくてメインに来てくれ!と願いを込めて。書くなら此方も得意なジャンル『切ない』で挑んでみる。艶のある紅は、雪姉さんです。※蛍君像がイベントやってないので掴みきれない所多々ありですが、多少目を瞑ってくれると有り難いです。

※イメージ曲:わたしを離さないで − 希望 OST
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